*折坂 聡美1 (1. 金沢市保健所)
セッション情報
公募シンポジウム
シンポジウム48:DHEATの現在地、そして未来―令和6年能登半島地震の活動から見えてきたもの
2024年10月31日(木) 10:45 〜 12:20 第3会場 (札幌コンベンションセンター 大ホールC)
座長:西田 敏秀(宮崎県福祉保健部延岡保健所)、冨尾 淳(国立保健医療科学院) 指定発言者:近藤 久禎(国立病院機構本部DMAT事務局)、高岡 誠子(一般社団法人日本公衆衛生協会DHEAT事務局 健康危機管理支援部)
大規模災害の被災自治体では、指揮調整機能が混乱し、限られた支援資源の有効活用や被災状況に応じた支援資源の適正配分が困難となることが懸念される。災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)は、このような状況下における被災自治体の保健医療行政の指揮調整機能等の支援を通じて、防ぎ得た死と二次健康被害を最小化することを目的として平成30(2018)年に制度化された。DHEATは専門的な研修・訓練を受けた都道府県等の職員(医師、保健師、管理栄養士、その他の専門職及び業務調整員等)で構成され、大規模災害時に被災都道府県の保健医療福祉調整本部や保健所等の調整本部などで指揮調整機能等のマネジメントに関する支援を行う。具体的な支援業務は、健康危機管理組織の立ち上げや指揮調整体制の構築、被災情報等の収集・分析・評価、対策の企画立案、保健医療活動チームの受援調整、職員の健康管理支援など多岐にわたる。
これまで、平成30年7月豪雨(岡山県、広島県、愛媛県)、令和元年8月豪雨(佐賀県)、令和2年7月豪雨(熊本県)において実際に支援活動が行われてきたが、令和6(2024)年元日に発生した能登半島地震では、34自治体から計104班のDHEATが派遣され2ヶ月以上にわたって支援活動が展開された。
本シンポジウムでは、能登半島地震におけるDHEAT活動について、県庁、保健所、市・町において支援に従事した演者から活動概要を報告し、支援・受援の両面から振り返りを行う。また、災害派遣医療チーム(DMAT)の視点からDHEATの現状と課題について論じるとともに、他の支援団体との連携強化に向けたポイントについて議論する。その上で、令和5(2023)年度に設置された全国DHEAT協議会、地方ブロックDHEAT協議会の概要にも言及しつつ、能登半島地震の教訓を踏まえた体制強化、研修・訓練のあり方などDHEATの将来像について議論する。本シンポジウムが、DHEATの役割や活動を理解していただく機会となり、災害時の保健医療福祉活動における連携強化の一助となることを期待する。
*池田 和功1 (1. 和歌山県岩出保健所)
*服部 希世子1 (1. 熊本県有明保健所 兼 山鹿保健所)
*千島 佳也子1 (1. 独立行政法人国立病院機構本部厚生労働省DMAT事務局)