第34回日本医療薬学会年会

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メディカルセミナー

メディカルセミナー18 C型B型肝炎領域における薬剤師の役割と重要性

Sun. Nov 3, 2024 11:30 AM - 12:30 PM 第13会場 (TKP東京ベイ幕張ホール 2F ホール3・4・5)

座長: 池田 龍二(宮崎大学医学部付属病院 薬剤部)

共催:ギリアド・サイエンシズ株式会社 メディカルアフェアーズ本部


近年,C 型肝炎ウイルス(HCV)の治療法は直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)の登場により飛躍的に進歩し,治療効果の指標であるウイルス学的著効率は90%を超え,C 型肝炎撲滅を目指せる時代になった。しかしながら、DAAs は薬物代謝酵素やP-gp、OATP1B1 などの輸送体を介する併用薬物の影響を受けやすく、これにより、効果の減少や副作用の増加といった問題が生じる可能性がある。特に高齢者の多い日本ではポリファーマシーの問題があり、薬剤師は患者の常用薬を総合的に評価し、潜在的な薬物相互作用(DDI)を特定し、それに基づいて適切な薬剤選択や用量調整を行うことが求められている。さらに、市販薬やサプリメントとの併用がDDI を引き起こすリスクがあることを含め、患者に対して薬の服用方法や飲み合わせに関する情報を提供し、自己管理を支援する意味でも、薬剤師は患者教育の重要な担い手としてHCV 診療をサポートしている。
B 型肝炎ウイルス(HBV)治療も核酸アナログ製剤の進歩により、ウイルス増殖抑制はもちろん、HBs 抗原陰性化も可能となってきている。しかしながら、HBV においては免疫抑制・化学療法施行中あるいは終了後に、それまで肝臓内で沈静化していたHBV が急速に再増殖して肝炎を発症する「HBV 再活性化」が依然として問題となっている。特に、HBs 抗原陰性、HBc 抗体陽性の既往感染者から再活性化し発症した「de novo B 型肝炎」では、通常の急性肝炎に比べて重症化率や劇症化率が高く、劇症化した場合には救命が困難となるため、各医療機関においてHBV 再活性化への対策が求められている。昨今、臨床使用可能となっている免疫抑制・化学療法は多岐にわたり、医師のみでリスク管理することは不可能で、医療安全の観点からも薬剤師があらかじめリスクを評価し、そのリスクに応じて積極的に介入することがHBV 再活性化のリスクマネジメントにおいてますます重要となっている。
本セミナーでは、薬剤師による薬物間相互作用チェックの取り組みと、医療ビックデータを用いた関節リウマチ患者におけるHBV 再活性化のスクリーニング実施の実態調査の結果から薬剤師によるHCV/HBV 領域での役割と介入の意義をディスカッションする。

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