第22回日本緩和医療学会学術大会

セッション情報

委員会企画

[CM5] 専門的・横断的緩和ケア推進委員会 小児緩和ケアWPG企画
わが国の小児緩和ケア:10年の歩みとこれからの展望

2017年6月24日(土) 08:15 〜 09:45 第11会場 (会議センター 503)

座長:多田羅竜平(大阪市立総合医療センター)、名古屋祐子(宮城県立こども病院)

企画趣旨
 日本緩和医療学会学術大会において、はじめて小児緩和ケアがセッションとして取り上げられたのは、2007年でした。今年はそれから10年の節目の年にあたります。この間、2012年にがん対策推進基本計画が改定され、小児がんが重点項目の一つに挙げられました。全国に小児がん拠点病院15施設が指定され、小児がん診療における緩和ケアの重要性も謳われました。同年より、小児がん診療に携わる医師を対象とした緩和ケア研修会が、厚生労働省委託事業として開催され、この5年間で約600名の小児領域の医師がこれを修了しました。小児がん拠点病院には小児緩和ケアチームの設置が義務付けられ、小児領域の医療者のみならず、成人緩和ケア領域に従事するさまざまな職種が、小児がん患者に対する緩和ケアに関わりを持つこととなりました。さらには、小児がんに限ることなく、生命を脅かす疾患(Life-threatening-illnesses;LTI)の子どもたちに対する緩和ケアにも光があてられるようになってきました。居宅ですごすLTIの子どもと家族に対する、在宅医療を含めた支援体制も整備されつつあり、こどもホスピスの運営も国内数か所で萌芽しています。わが国の小児緩和ケアは、他の先進諸国に比べて低い評価にとどまっていましたが(Knapp C. Pediatr Blood Cancer. 2011)、この数年のうちにも状況は変化し続けています。本シンポジウムでは、わが国の小児緩和ケアにおける10年の歩みを総括するとともに、今後の発展のために何が求められるのかを、深く議論したいと考えています。

多田羅 竜平
利益相反1 ~ 13:該当無し
名古屋 祐子
利益相反1 ~ 13:該当無し