22nd Congress of the Japanese Society for Palliative Medicine

Session information

合同シンポジウム

[JSY10] どう対応すべき?〜ケミカルコーピングとその周辺〜
日本緩和医療薬学会との合同企画

Sat. Jun 24, 2017 3:10 PM - 4:40 PM 第5会場 (会議センター 303+304)

座長:松岡弘道(近畿大学医学部附属病院 内科学心療内科部門)、小板橋俊哉(東京歯科大学市川総合病院 緩和ケア科)

企画趣旨
 がん患者が抱える痛みは、がんによる痛み、治療による痛み、非がん性の痛みに分類されています。がんによる痛みに対しては、オピオイドを必要としている患者には必要量を処方することが推奨されていますが、そのためにはオピオイドを本当に必要としているのか否か診断することが肝要です。これに失敗すると依存という状態を生み出してしまう懸念が生じます。
 ケミカルコーピングは新しい概念で、本シンポジウムのタイトルを見て初めて認知された方も少なからずいると思います。未だ国際的に定まった定義はありませんが、気分高揚、不安軽減、鎮静などの鎮痛以外の心理的利益を得るために不適切に薬物(ここではオピオイド)を摂取することを言い、依存との線引きも重要な課題と考えます。ケミカルコーピングを見逃すと、その背景にあるスピリチュアルペインや精神的苦痛をも見逃してしまう可能性がありますし、医原性のオピオイド乱用にもつながると思います。がん患者さんの5年生存率が6割を超え、がん疼痛が慢性疼痛としても位置付けられてきている昨今、長期療養にも対応可能である良質のがん疼痛緩和を阻害する一つの因子として、医療者がケミカルコーピングを認識することが本シンポジウムの目標です。そして、レスキューを頻回に必要とする症例への対応を多職種で検討します。
 最後に、本シンポジウムは日本緩和医療薬学会との合同シンポジウムです。薬剤師さんには人文社会薬学的な視点でケミカルコーピングについてお話をお願いしています。多数のご参加をお待ちしております。

松岡 弘道 利益相反1 〜 13:該当無し
小板橋 俊哉 利益相反1 ~ 13:利益相反開示事項4(コヴィディエンジャパン株式会社)、左記以外は該当無し