第22回日本緩和医療学会学術大会

セッション情報

合同シンポジウム

[JSY3] 抗がん治療が終了するとどうなりますか?〜医療者が患者のためにできる最適な医療の在り方を考える〜
日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会、全国がん患者団体連合会との合同企画

2017年6月23日(金) 15:45 〜 17:15 第5会場 (会議センター 303+304)

座長:佐藤温(弘前大学大学院 医学研究科 腫瘍内科学講座)、池永昌之(淀川キリスト教病院 緩和医療内科)

企画趣旨
 近年、抗がん治療の急速な進歩により、外来治療や内服治療が広く抗がん治療として行われるようになった。侵襲のより少ない抗がん治療が発達することにより、結果的に生命予後が厳しい時期まで治療が行われることや、治療中には生命予後の予測を伝えることが難しくなることにより、抗がん治療終了から人生の最期を迎える時間が、非常に圧縮されてきているように思う。しかし一方で、「診断時からの緩和ケア」が厚労省により提唱されているものの、あわただしいがん治療現場からは、「そろそろカンワの時期」「この人はBSCの患者だからここではみられない」「がん治療の希望が強いから緩和ケアでは無理」というような軽い言葉も、より多く聞かれるようにもなってきている。この時期のケアと支援を、改めて見直す必要が高くなっていると考えられる。この時期の抗がん治療をどのように説明するのか。「できる治療」と「効く治療」をどうとらえていくか。患者や家族と治療目標をどのように共有し、治療方針を決定していくか。そもそも抗がん治療に積極的ではない患者の居場所や医療をどうするのか。エビデンスが明確ではない治療や考え方に、医療者としてどう向き合っていくのか。本セッションではがん治療の専門家と緩和ケアの専門家、そしてそれに対峙する患者の声に耳を傾けることを通して、情報の伝え方、治療目標の共有、そしていかに患者を支えていくかについて議論したいと思う。

佐藤 温 利益相反1 〜 13:該当無し
池永 昌之 利益相反1 ~ 13:該当無し