○安藤 久美子 (聖マリアンナ医科大学病院神経精神科学教室)
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委員会シンポジウム
委員会シンポジウム12
統合失調症事例の刑事精神鑑定
Thu. Jun 22, 2023 1:15 PM - 3:15 PM H会場 (パシフィコ横浜ノース 3F G316+G317)
司会:五十嵐 禎人(千葉大学社会精神保健教育研究センター法システム研究部門), 川嵜 弘詔(福岡大学医学部)
メインコーディネーター:五十嵐 禎人(千葉大学社会精神保健教育研究センター法システム研究部門)
委員会:司法精神医学委員会
刑事精神鑑定の大部分を占める刑事責任能力鑑定では、精神科医は、「生物学的要素」である被鑑定人の精神障害の診断を適切に行ったうえで、「生物学的要素が心理学的要素に与えた影響」の有無・程度・機序について臨床精神医学の知見を活用して分析し、その結果を報告する。
統合失調症は、「精神の障害」に該当する代表的な精神疾患であり、わが国の刑事責任能力をめぐる議論においても、統合失調症に罹患している人の責任能力の問題は中心的な課題のひとつである。統合失調症に罹患した人の責任能力については、かつては統合失調症という診断が確定すれば、ほぼ常に責任無能力と判定すべきという主張が行われてきたこともあったが、今日の精神鑑定は、可知論的なアプローチを基本としており、被鑑定人の病期・病状、犯行前後の生活状態、犯行の動機・態様などを考慮したうえで、「生物学的要素が心理学的要素に与えた影響」の有無・程度・機序について分析する必要がある。
本シンポジウムでは、統合失調症と診断された刑事精神鑑定事例で、犯行時の病状や触法行為の異なる事例を提示する。事例の比較検討を行うことを通じて、統合失調症と診断された事例の刑事精神鑑定における判定の在り方や課題を明らかにしたい。
○山口 大樹 (東邦大学医学部精神神経医学講座)
○赤崎 安昭 (鹿児島大学医学部保健学科)
○太田 順一郎 (岡山市こころの健康センター)