○加茂 登志子 (若松町こころとひふのクリニックメンタルケア科PCIT研修センター)
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委員会シンポジウム
委員会シンポジウム17
COVID-19のパンデミックが日本の女性と子供のメンタルヘルスに及ぼした影響:弱者・ジェンダーの視点から
Thu. Jun 22, 2023 3:30 PM - 5:30 PM R会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G420)
司会:加茂 登志子(若松町こころとひふのクリニックメンタルケア科PCIT研修センター), 布施 泰子(茨城大学保健管理センター)
メインコーディネーター:布施 泰子(茨城大学保健管理センター)
サブコーディネーター:加茂 登志子(若松町こころとひふのクリニックメンタルケア科PCIT研修センター), 安藤 久美子(聖マリアンナ医科大学病院神経精神科学教室)
委員会:男女共同参画委員会
本シンポジウムでは、COVID-19のパンデミック下で、日本社会において女性や子供に起こったメンタルヘルス上の問題について多角的に焦点を当てる。2019年に始まったCOVID-19のパンデミックは、当初の予想よりも長期化し、2022年現在も社会に影響を与え続けている。社会に大きな負の作用を及ぼすできごと(恐慌、自然災害など)が発生した時、往々にして最も影響を受けやすいのは、相対的な社会的弱者である女性や子供である。
子供について言えば、学校が閉鎖されたり、授業がオンラインで行われたり、子供同士の交流が妨げられたりしたことにより、子供の心身の健全な発達が妨げられた可能性がある。また、家庭における弱者である子供は、直接にも間接的にも、周囲の大人のメンタルヘルスの影響も受けることを忘れてはならない。
女性について言えば、メンタルヘルスの悪化は自殺率の増加という数字にはっきりと示された。女性は男性と比べて非正規雇用者の割合が高く、パンデミックによる不況の影響を受けやすかったことが指摘されている。また、経済的な不安を抱えたことや、リモートワークや外出自粛で家族が家に一緒にいる時間が長くなったことにより、配偶者からの暴力が増えたことも指摘されている。このように、女性のメンタルヘルスの悪化は、潜在的に存在していたジェンダーの問題がパンデミックによって顕在化したためとも言うことができる。
なお、本シンポジウムは、第9回World congress of women’s mental healthのシンポジウムThe Impact of theCOVID-19 Pandemic on Women and Children in Japan(2022年11月オランダのマーストリヒトにて開催)の発展形で、前シンポジウムをきっかけに新たに得た知見、考察したこと等を踏まえ、日本精神神経学会の会員向けに発信するものである。
○奥山 純子1,2, 門廻 充侍4, 本川 智紀3, 加藤 朋美3 (1.東北大学病院肢体不自由リハビリテーション科, 2.指定国立大災害科学世界トップレベル研究拠点, 3.ポーラ化成工業株式会社, 4.東北大学災害科学国際研究所)
○阪上 優 (京都大学環境安全保健機構産業厚生部門)
○布施 泰子 (茨城大学保健管理センター)
○安藤 久美子 (聖マリアンナ医科大学病院)