○森本 美紀 (朝日新聞記者)
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委員会シンポジウム
委員会シンポジウム19
国連障害者権利擁護委員会(CRPD)の対日審査をめぐって-これからのわが国の精神医療のあり方を考える
Fri. Jun 23, 2023 10:45 AM - 12:45 PM B会場 (パシフィコ横浜ノース 1F G5)
司会:佐久間 啓(社会医療法人あさかホスピタル), 水野 雅文(東京都立松沢病院)
メインコーディネーター:佐久間 啓(社会医療法人あさかホスピタル)
サブコーディネーター:水野 雅文(東京都立松沢病院)
委員会:精神医療・福祉のあり方に関する常任委員会
障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities; CRPD)とは、障害者の人権や基本的自由を確保し、尊厳の尊重を促進、権利の実現のための措置等を規定するもので、2006年に国連で採択され、2008年に発効した。日本は2014年に批准した。
CRPDは、国連権利擁護委員会が締約国に対してその遵守状況を確認する審査を行うが、2022年8月に初めての対日審査が行なわれ、9月9日にそれに基づく勧告「日本の第一次報告書に対する最終見解」が公表された。この対日勧告については、一部のメディア、当事者、家族の間では非常に高い関心が寄せられているが、日本精神神経学会の会員においては必ずしも十分な理解や関心を得られていない。同見解では、日本の障害者を取り巻く環境は、障害者の権利が擁護されているとは言い難く、地域生活、教育、就労に関する改善勧告に加えて、強制入院や精神科病院のあり方、脱施設化等、精神科医療のさまざまな課題にも強く言及している。CRPDについては、わが国も2014年に批准したところではあるが、その内容については、諸外国の精神科医療現場からの戸惑いも表明されている。障害者、患者の自律尊重や権利擁護、安全確保は極めて重要で尊重されるべきである一方、わが国の精神科医療の現場には処遇や治療の困難などさまざまな課題があり、最大限に配慮あるバランス感覚が求められている。この機会に障害者権利擁護の視点からの地域社会や教育、そして精神科医療のあり方について、改めて会員の関心を高め、共通理解を深め、これからの精神科医療にどう活かすかを検討することは極めて重要である。そこで今回、精神科医療福祉のあり方検討常任委員会は、CRPDについての国際的な専門家による特別講演、国内の専門研究者による教育講演、更にCRPDの第一次報告書を踏まえて今後の日本社会と精神科医療福祉がどうあるべきかを考えるシンポジウムの開催を提案する。
○山田 悠平 (一般社団法人精神障害当事者会ポルケ)
○来住 由樹 (地方独立行政法人岡山県精神科医療センター)
○林 輝男 (社会医療法人清和会西川病院)
○藤井 千代 (国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部)