第119回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

委員会シンポジウム

委員会シンポジウム22
次世代の精神医学研究のあり方:知の統合による課題解決に向けて

2023年6月23日(金) 10:45 〜 12:45 J会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G403+G404)

司会:尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学), 橋本 亮太(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神疾患病態研究部)
メインコーディネーター:尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学)
サブコーディネーター:橋本 亮太(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神疾患病態研究部)

委員会:精神医学研究推進委員会

日本精神神経学会は、我が国の「健康・医療戦略及び医療分野研究開発推進計画(以下、「当該計画」)」が発布、改訂される時期に沿って、2013年に「精神疾患克服に向けた研究推進の提言」、2018年に「精神疾患の克服と障害支援にむけた研究推進の提言」を発出して、精神医学研究の方向性を示し、関係省庁並びに日本医療研究開発機構(AMED)とも議論を重ねてきた。2018年版は、2013年以降に生じた状況の変化と研究進展を踏まえ、当事者・家族のニーズに適う成果に繋げる研究の必要性及びその具体的方策を提示することを企図し、精神疾患及び精神疾患に伴う障害を克服するため、本学会研究推進委員会が中心となり関係諸学会とまとめたものである。その結果、精神神経疾患は当該計画において標的疾患として一貫して位置づけられて来た。現在、2024年度末までに予定されている「当該計画」の改訂を踏まえ、新たな意見表出に向け、研究推進委員会はワーキンググループを発足させ準備に入っている。精神医学が対応すべき社会的課題は極めて広範であり、最先端の脳科学、データサイエンスといった基礎的手法に加え、障害支援に向け看護学、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の視点を取り入れ、何より当事者・家族とともに進める、Patient Public Involvementの観点が重要であり、これら多領域にわたる「知の統合」を意識した意見表出を企図する必要がある。以上を踏まえ、次世代の精神医学研究が如何にあるべきか、脳科学、データサイエンス、看護学、ELSI、そして当事者・家族の立場からシンポジストに意見を述べて頂き、本学会員とのディスカッションを行うことを企図した。本シンポジウムが今後の精神医学研究の方向性を考える上で意義あるものとなることが期待される。