第119回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

委員会シンポジウム

委員会シンポジウム25
精神科医にどのように性別不合(Gender Incongruence)医療に参入してもらうか

2023年6月23日(金) 13:15 〜 15:15 P会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G416+G417)

司会:中山 浩(川崎市こども家庭センター), 早馬 俊(横浜メンタルクリニック戸塚)
メインコーディネーター:中山 浩(川崎市こども家庭センター)
サブコーディネーター:早馬 俊(横浜メンタルクリニック戸塚)

委員会:性別不合に関する委員会

これまで性同一性障害(GID)と呼ばれていた状態は、ICD-11では性別不合(GI)となり、社会的には新たな展開が予想されている。GI者に対する手術による身体治療については保険適応が実施され、課題はあるものの徐々に実施件数も増えつつある。この領域における身体科医師の関心も高まり、参入する医師は増えてきている。一方、これらの身体治療導入の適否やその後の性別変更手続きの判断などに重要な役割を果たす精神科医の参入は多くはない。性別不合に関する委員会(旧GIDに関する委員会)においては、学会のシンポジウムやワークショップの場で会員への情報提供を通じて関心を高める努力をしてきたが、今回精神科医のこの領域への参入について本格的に議論する機会として本シンポジウムを企画した。シンポジウムの内容は、比較的臨床経験の短い若手医師がGI医療に関心を持つきっかけとなった出来事や臨床経験を積むにあたっての困難、今後この領域の臨床を行うにあたって、大学や関係する学会などに期待することなどを報告してもらう。さらに、現在大学病院精神科を主宰する立場から、大学病院においてGI医療を行うにあたっての困難や若手医師の参入の現状や課題について報告してもらう。以上の発表によって、現在の日本における精神科医師の参入の障壁や検討すべき課題が明らかになり、日本の各地域においてGI医療がとどこおりなく行われるためのステップとなればと考えている。