○坪井 貴嗣 (杏林大学医学部付属病院精神神経科学教室)
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委員会シンポジウム
委員会シンポジウム26
気分障害患者における復職促進および判断基準の均てん化に向けて
Fri. Jun 23, 2023 3:30 PM - 5:30 PM A会場 (パシフィコ横浜ノース 1F G7+G8)
司会:吉村 玲児(産業医科大学精神医学), 井上 幸紀(大阪公立大学大学院医学研究科神経精神医学)
メインコーディネーター:吉村 玲児(産業医科大学精神医学)
サブコーディネーター:井上 幸紀(大阪公立大学大学院医学研究科神経精神医学)
委員会:産業保健に関する委員会
うつ病、双極性障害をはじめとする気分障害は精神疾患の経済に与える影響DALY指標で2020年の時点でそれぞれ2位と5位に位置付けられている。リワーク施設の増加やリワークプログラムの充実により、気分障害患者の復職も徐々に進んできてはいるが、復職してもすぐに再休職に入る患者も決して少なくはない。気分障害の急性病相や維持療法に関するガイドラインが日本でも整備され改訂を重ねているが、産業保健分野では、会社の規模や職種の違いあるいは休職や復職基準が会社ごとで異なることから、精神科薬物療法などで整備されているようなガイドライン作成が困難である事が実情である。したがって、産業保健領域でも、気分障害患者の復職判定に関して、質の高い証左に基づいた基準を作り上げていく作業が喫緊の課題の一つであり産業保健現場からのニーズも大きい。しかし、産業保健の領域ではランダム化比較試験やで二重盲検試験などを行うことは非常に困難であり、個人情報の取り扱いや守秘義務の関係からも、大規模な研究や厳密な研究が行いづらい。このような現状の中で、質が高く役に立つ気分障害患者の復職基準の均てん化を実現していくにはどのようなことが重要であり、一方で問題となるのだろうか?今回のシンポジウムでは、各会社判断にゆだねられている復職判断を少しでも証左に基づいた基準に作り上げていくにはどのような戦略で臨めばよいか、またそれに伴う法律的な問題についても議論を深めたい。そして今回のシンポジウムで得られた結果が気分障害患者の復職支援促進に大きく寄与することを願う次第である。
○池ノ内 篤子 (産業医科大学精神医学教室、認知症センター)
○佐渡 充洋1,2,3 (1.慶應義塾大学保健管理センター, 2.慶應義塾大学医学部精神神経科学教室, 3.慶應義塾大学ストレス研究センター)
○渡辺 洋一郎 (横山・渡辺クリニック)
○佐々木 達也 (名古屋学院大学法学部)