○稲田 健 (北里大学医学部精神科学)
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委員会シンポジウム
委員会シンポジウム33
治療抵抗性統合失調症はどのように治療すべきか:我々の合意形成を目指して
Sat. Jun 24, 2023 10:45 AM - 12:45 PM E会場 (パシフィコ横浜ノース 3F G301+G302)
司会:三村 將(慶應義塾大学精神神経科学教室), 橋本 亮太(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神疾患病態研究部)
メインコーディネーター:稲田 健(北里大学医学部精神科学)
サブコーディネーター:橋本 亮太(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神疾患病態研究部)
委員会:薬事委員会
治療抵抗性統合失調症は、統合失調症の15%程度を占め、既存の抗精神病薬治療への反応が乏しいことから、当事者の苦痛が著しいことはもちろんのこと、入院の長期化させ、就労を困難にさせるなど社会的負担も大きい。治療抵抗性統合失調症の治療薬として唯一の抵抗承認を得ているクロザピンの導入と普及を目指して、薬事委員会は学会内外と協力して、取り組んできた。その成果として、クロザピンの規制緩和がなされたこと、診療報酬の改訂においてクロザピン血中濃度測定が保険収載されるなどが得られている。本シンポジウムでは、治療抵抗性統合失調症の現状とこれまでの取り組みと現状、これからの課題について取り上げる。治療抵抗性統合失調症の診断と治療について、診療ガイドラインにおける記載を参照しながら概観する。続いて、治療抵抗性統合失調症の治療の現状について、クロザピンの処方状況から、クロザピンが無効な治療抵抗性統合失調症(ultra-treatment resistant schizophrenia)の治療選択肢について概説する。薬事委員会と厚生労働科学研究班は協力して、クロザピン規制緩和に働きかけてきた。そして、長期に白血球数が安定している症例においては、白血球数の検査間隔を2週間ごとから4週間ごとに延長するという添付文書改訂を含めた規制緩和の成果を得た。さらに、診療報酬上もクロザピン血中濃度測定が保険収載されるなどの成果も得たため診療報酬制度の現状について概説する。最後にクロザピンへのゲノム医療の応用を含む治療抵抗性統合失調症研究の最前線について報告する。シンポジウムは、聴衆からの投票を取り入れたインタラクティブなものし、今後委員会で取り組むべき点についての意見を収集し、治療抵抗性統合失調症克服に向けた会員と委員会の合意形成を目指したい。
○古郡 規雄 (獨協医科大学精神神経医学講座)
○新津 富央 (千葉大学大学院医学研究院精神医学)
○山之内 芳雄, 森 隆夫 (あいせい紀年病院精神科)
○齋藤 竹生, 岩田 仲生 (藤田医科大学医学部精神科)