○武井 明 (市立旭川病院精神科)
セッション情報
シンポジウム
シンポジウム1
日常診療で、大人の発達障害を理解し支援する
2023年6月22日(木) 08:30 〜 10:30 C会場 (パシフィコ横浜ノース 1F G6)
司会:青木 省三(公益財団法人慈圭会精神医学研究所), 武井 明(市立旭川病院精神科)
メインコーディネーター:青木 省三(公益財団法人慈圭会精神医学研究所)
サブコーディネーター:武井 明(市立旭川病院精神科)
成人の臨床現場では、基底に発達障害があるのではないかと思われる患者が増加している。だが、臨床現場ではいくらかの混乱も続いている。大人の発達障害の診断はどのようにしたらいいのか。発達歴についての十分な情報や、日常生活などの客観的情報が得られないことが少なくない。診断することのプラスもマイナスもあり、その意味でも慎重にならざるを得ないし、またグレーゾーンという捉え方を積極的に活用したらどうかという考え方もある。また、抑うつ状態なのだが、古典的な執着性格のうつ病ではなく、どうも発達障害が基底にあるように思われる事例が増えてきている。依存症の基底に発達障害があることもしばしばである。幻覚妄想などの精神病状態であっても、どうも古典的な統合失調症とは異なり、従来の成書に記されているものとは異なった病像や経過をたどるものが少なくない。時には、発達障害に気づかないことが、病態の長期化や難治化をもたらす一因となることもある。
日常臨床において、多くの臨床家が大人の発達障害を念頭に置くようになったが、どう理解し、どう支援していけばよいのか、まだまだ手探りな状態である。理解についても、支援についても、新たな発想が求められているように思われる。本シンポジウムでは、改めて大人の発達障害について、その理解と支援について考えてみたい。
○宮﨑 健祐 (一般財団法人愛成会弘前愛成会病院精神科)
○小林 桜児 (神奈川県立精神医療センター精神科)
○鷲田 健二 (公益財団法人慈圭会慈圭病院)
○村上 伸治 (川崎医科大学精神科学教室)