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シンポジウム

シンポジウム106
学校や地域での子どもたちのこころの状態、支援と連携システム

Sat. Jun 24, 2023 1:15 PM - 3:15 PM M会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G411)

司会:中村 和彦(弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座)
メインコーディネーター:中村 和彦(弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座)

児童青年期のこころの諸問題は増加している。令和2年度調査で、小・中学校における不登校児童生徒数は調査開始以来最多の196,127人、学校内・外いずれの機関においても相談・指導を受けていない児童生徒は34.3%(67,294人)、不登校児童生徒本人・保護者のアンケート調査では、最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけは、先生のこと、身体の不調、生活リズムの乱れ、友達のことが主に示された。そして、2020年の15-34歳の年齢階層別自殺率は人口10万人あたり16.3人であり、先進7カ国の中で最も多い。このように、問題が派生してから初めて実態がわかるが、子どもたちは学校や地域の中で何かの兆しを示していたと考えられる。本シンポジウムでは、学校や地域での子どもたちのこころの状態、支援と連携システムについて報告する。一つ目の報告は、弘前大学 中村が報告を行う。子どものこころの問題に対応するため、教育委員会と連携協定を結び、児童青年期コホートデータの収集と解析を行ってきた。児童青年期のこころの問題に対する予測指標や、学校での早期発見について報告をする。具体的には、調査対象市の小中学校で、抑うつ、不安、攻撃性、自傷行為、摂食異常、いじめ、非行等の調査項目を含む学校コホートのデータ解析により、抑うつ、不安、発達障害、問題行動などの深刻なこころの健康問題を示す子どもの割合や、そのリスク要因・保護要因に関する知見を報告する。二つ目は、東京医大 桝屋が医療・教育・福祉分野の連携システムついては報告する。子ども達と関わる現場においてメンタルヘルス上ハイリスクで支援が必要な子どもを見出した際、問題行動等の予防のために、その情報をどのように取り扱い、どのように関係機関と協力し、連携・支援体制を構築していくかが重要となる。その体制の中で特に地域の小児医療体制との連携に着目して検討し報告する。三つ目は、千葉大学 清水が報告する。医学的なエビデンスに基づく心理療法「認知行動療法」を活用し、ユニバーサルな予防として不安の対処プログラム「勇者の旅」を学校の授業として教育委員会等と連携し、展開しているが、コロナ禍の2020年に子どもの自殺者数が過去最多となったことへの対策として、GIGAスクール構想のもと、WEB上での子どものストレスチェツクを開始し、問題解決法等の対処法を提供している。これらについて報告する。四つめは、福島県立医科大学 板垣が福島県における東日本大震災後の被災した子どもたちの支援-県民健康調査 「こころの健康度・生活習慣に関する調査」について報告する。東日本大震災及び原発事故の被災により、避難生活を余儀なくされた子どもたちに対して、県民健康調査が継続実施されている。対象は避難区域の居住者であり、郵送法にてSDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire)が調査と支援に活用されている。公表論文を基に震災後の支援と調査研究の結果を報告する。