JSPN119

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シンポジウム

シンポジウム109
精神科における“身体的”リハビリテーションの現状と今後の課題

Sat. Jun 24, 2023 1:15 PM - 3:15 PM P会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G416+G417)

司会:橋本 学(国立病院機構肥前精神医療センター精神科・リハビリテーション科), 平川 淳一(医療法人社団光生会平川病院)
メインコーディネーター:橋本 学(国立病院機構肥前精神医療センター精神科・リハビリテーション科)
サブコーディネーター:平川 淳一(医療法人社団光生会平川病院)

脳卒中、外傷、呼吸循環器等の内部障害などの急性期治療とともに開始されるリハビリテーションの重要性は言を待たない。多くの患者がその恩恵を受け、社会復帰を果たすなどQOLの向上にも大いに寄与している。一方で、精神疾患を有する患者においてはこれらのリハビリテーションの恩恵を享受できているとは言い難い側面がある。リハビリテーションセラピストは、精神疾患を有する患者のリハビリテーションに際して十分な教育・訓練を受けておらず試行錯誤しながらリハビリテーションを行わざるをえない状況にあり、結果としてリハビリテーションがうまく機能しない結果を招来している。このような状況はリハビリテーションを受ける立場、行う立場の双方にとって不幸なことである。近年、精神科病院にも身体を扱うリハビリテーションセラピストが配置されることが増えてきたものの、彼らが有効なリハビリテーションを行う土壌はまだ整備されていないと思われる。精神科サイドでは、精神科で伝統的に行われてきた「精神科リハビリテーション」という名の作業療法と区別する意味で、「身体的リハビリテーション」という用語を使うことがあるが、この用語自体通常のリハビリテーションの世界では一般化しているものではない。精神疾患を有する患者に対する身体的リハビリテーションについては、精神科医療の特殊性、セラピストの教育、診療報酬など多くの問題が横たわっている。このシンポジウムでは、これらの問題を抱える精神科における身体的リハビリテーションの現状を明らかにするとともに、この領域のリハビリテーションのよりよい発展を目指して、われわれに何ができるかを考えることで精神科における身体的リハビリテーションの今後を展望したいと思う。
①精神科における身体的リハビリテーションの現状と問題点 橋本学(肥前精神医療センター)
②リハビリテーション専門医からみた精神科におけるリハビリテーション 松嶋康之(産業医科大学リハビリテーション医学講座)
③現場のセラピストからみた精神科患者に対する身体的リハビリテーション 一般科の立場から・・・田中成和(肥前精神医療センター)
④現場のセラピストからみた精神科患者に対する身体的リハビリテーション 精神科の立場から・・・塚原宏恵(菊池病院)
⑤精神科病院における身体的リハビリテーションのシステム構築と実践 平川淳一(平川病院)