○西原 真理 (愛知医科大学病院)
Session information
シンポジウム
シンポジウム18
慢性疼痛
Thu. Jun 22, 2023 1:15 PM - 3:15 PM E会場 (パシフィコ横浜ノース 3F G301+G302)
司会:臼井 千恵(順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック科), 井上 雄一(医療法人社団絹和会睡眠総合ケアクリニック代々木)
メインコーディネーター:臼井 千恵(順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック科)
サブコーディネーター:井上 雄一(医療法人社団絹和会睡眠総合ケアクリニック代々木)
2020年に国際疼痛学会は、「痛みとは、組織損傷が実際に起こった時あるいは起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験、あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験」であると再定義した。また、最近、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛についで、痛みの第3の分類として、痛覚変調性疼痛:nociplastic pain(以下解説を示す)「侵害受容の変化によって生じる痛みであり、末梢の侵害受容器の活性化をひきおこす組織損傷またはそのおそれの明白な証拠、あるいは、痛みをひきおこす体性感覚系の疾患や傷害の証拠がないにもかかわらず生じる」が新たに提唱された。ICD11においても、国際疼痛学会 は慢性痛を7つに分類し、これまで原因不明のいたみとされていたものを一次性慢性痛に分類した。このように国際的に痛みの概念が大きく拡がってきている状況にある。不快な感覚と情動体験である“痛み”が慢性化するメカニズムに脳の機能変化が大きく関与していることは明らかになってきている。脳機能や情動が密接に関係する“慢性疼痛”に対して、精神科医が積極的に介入することによって、“慢性疼痛”の科学の発展に寄与できると考えられる。また、多くの慢性疼痛患者は睡眠障害や抑うつなどの精神神経症状が併存することより、精神科医の治療面での介入が望まれている。本シンポジウムでは、慢性疼痛の診断・治療についての最新の知見を提供しつつ、この領域への精神科医の関与についての議論を深めたい。本シンポジウムは日本線維筋痛症学会推薦のプログラムである。
○臼井 千恵 (順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック科)
○吉野 敦雄1,2 (1.広島大学保健管理センター, 2.広島大学脳・こころ・感性科学研究センター)
○井上 雄一1,2 (1.東京医科大学睡眠学講座, 2.医療法人社団絹和会睡眠総合ケアクリニック代々木)
○加藤 隆弘1,2, 藤本 晃嗣3,4, 細井 昌子2,3,4 (1.九州大学大学院医学研究院精神病態医学, 2.九州大学病院集学的痛みセンター, 3.九州大学大学院医学研究院心身医学, 4.九州大学病院心療内科)