JSPN119

Session information

シンポジウム

シンポジウム24
精神科医療にSNSをどう活用するのか -その可能性と課題-

Thu. Jun 22, 2023 1:15 PM - 3:15 PM P会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G416+G417)

司会:根本 清貴(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学), 松崎 朝樹(筑波大学精神神経科)
メインコーディネーター:根本 清貴(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学)
サブコーディネーター:松崎 朝樹(筑波大学精神神経科)

 近年、インターネット上には様々な情報が溢れており、その形態もウェブサイト、文章(ブログ)、短い文(Twitterなど)、写真・イラスト(Instagramなど)、短時間動画(TikTokなど)、長時間動画(YouTubeなど)と多岐にわたっている。インターネット上で精神医学分野の情報が扱われることも増え、当事者、その家族、一般人がインターネット上に流れてくる情報を目にしたり、自ら検索したりすることが当たり前の日常になっている。また、医療系の学生の学習、そして、研修医や専攻医の卒後研修、さらには、多くの医師を含む医療職や専門医の生涯学習としてインターネット上の情報が活用されることも多い。インターネット上の情報は、インターネットに繋がる端末さえあれば「いつでも」「どこでも」学べるユビキタスな学習を可能にすると同時に、検索が可能な点でより簡便に求める情報を得られる点で有用性が高い。また、ソーシャルメディアは、ユーザーが登録していることで受動的に情報を得られる点で便利であり、多くのユーザーがいる現在、情報発信者から多数の人に情報を伝えられる点で、その影響力は大きく拡大している。一方、インターネット上の情報が玉石混交であることは黎明期から指摘されてきた。誰でも情報が発信できるということは、発信する情報の質をどのように担保するかという課題を常にはらんでいる。
 そこで、本シンポジウムでは、精神科医療においてソーシャルメディアをどう活用できるかについて、実際にソーシャルメディアを活用している医療関係者をシンポジストに迎えて討議したい。精神科医の益田裕介先生(早稲田メンタルクリニック)は、開業医として主に当事者向けにYouTubeで情報を発信している。当事者に向けた情報を発信する際に意識すること、注意すべきことを紹介する。心療内科医の大武陽一先生は、様々なソーシャルメディアを通じて情報を発信している。ソーシャルメディアの特性をいかした使い分けについて紹介する。心理職の青木俊太郎先生(福島県立医科大学 医療人育成・支援センター)は、ブログやYouTubeを通じて心理学の情報を発信している。心理職の観点から見たソーシャルメディアの可能性について紹介する。そして、精神科医の松崎朝樹先生(筑波大学医学医療系精神医学域)には、教育機関に所属する立場から、あるべき動画配信のあり方について紹介していただく。このように様々な立場から、ソーシャルメディアの可能性と注意点について理解を深め、精神科の医療者としてどのようにしたらより良い情報発信ができるのかを考える場としたい。