第119回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム32
ビデオ脳波でみるてんかん発作

2023年6月22日(木) 15:30 〜 17:30 M会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G411)

司会:山田 了士(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター), 栗田 紹子(市立稚内病院)
メインコーディネーター:西田 拓司(静岡てんかん・神経医療センター精神科)
サブコーディネーター:谷口 豪(国立精神・神経医療研究センター病院精神科)

オンデマンド配信対象外

長年、本邦では精神科医が成人てんかん診療を担ってきたが、近年は精神科医のてんかん離れが進み、若手精神科医がてんかんを診療する機会が減っていていると思われる。しかし、てんかんは有病率が約1%と高く、一般の精神科臨床においても鑑別を要する機会が多い。てんかん発作は多様な症候を示し、心因性非てんかん性発作やパニック発作、認知症などとの鑑別が必要となることも多く、精神科医のてんかん診療への関与は必須である。てんかん診療に苦手意識をもつ理由の一つとして、てんかん発作を実際に目にすることが少ないことが挙げられる。てんかん診療への苦手意識を克服する第一歩は、できる限り多くのてんかん発作をみることである。
そこで、本シンポジウムでは、本邦を代表する3つの国立病院てんかんセンターに所属するてんかん専門医が豊富なビデオ脳波同時記録の発作時ビデオと脳波を供覧し、てんかんの臨床症候と脳波所見を解説する。まず、西田氏が、ビデオ脳波同時記録とてんかん発作分類について概説し、代表的な焦点てんかん、および全般てんかんの発作を供覧する。さらに、長谷川氏と谷口氏が、それぞれの施設から症例を提示してそのてんかん発作を供覧し、発作症候、発作時脳波、神経画像所見との関連、さらに心因性非てんかん発作、その他の精神症状との鑑別点などを解説する。
本シンポジウムにより、てんかん診療に慣れていない若手精神科医もてんかんに対する苦手意識を克服し、てんかん診療に関心を向けることに役立つことができるものと期待する。なお、発作時ビデオの供覧に際して、患者の同意を得ていること、必要に応じてモザイクをかけることなど、個人情報保護に十分配慮を行う。