○渡部 衣美1, 根本 清貴2, 山川 百合子3, 繁田 雅弘4, 太刀川 弘和2, 新井 哲明2 (1.筑波大学附属病院精神神経科, 2.筑波大学医学医療系精神医学, 3.茨城県立医療大学, 4.東京慈恵会医科大学精神医学講座)
セッション情報
シンポジウム
シンポジウム36
課題解決型高度医療人材養成(精神領域)のこれから-産業保健との関連から-
2023年6月22日(木) 16:45 〜 18:45 A会場 (パシフィコ横浜ノース 1F G7+G8)
司会:清水 栄司(千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学・子どものこころの発達教育研究センター), 笠井 清登(東京大学大学院医学系研究科臨床神経精神医学講座)
メインコーディネーター:清水 栄司(千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学・子どものこころの発達教育研究センター)
サブコーディネーター:笠井 清登(東京大学大学院医学系研究科臨床神経精神医学講座)
文部科学省の課題解決型高度医療人材養成プログラムは、科学的根拠に基づいた医療を提供できる優れた人材を養成することを目的に多様な課題解決のために実施されている。2018年度から2022年度の5年間の「精神関連領域」のテーマで「多様化かつ増大する精神医療に係るニーズへの対応や患者・家族を支える医療・福祉等の支援体制について、関係機関とのネットワークを構築し、職種を横断した体系化された新たな教育プログラム」を行う4拠点が選定され、これまでも各々の取組について議論を深め、連携してきたところである。本シンポジウムでは、各拠点での取組、成果を集大成しながら、2023年度以降の展開、普及について論じていきたい。筑波大学は「トランスディシプリナリーな多職種連携」によるこころの治療およびケアを有効に実践できるスタッフの養成を目的とし2019年にPsySEPTAを開講した。2022年4月時点で延べ受講者は18職種226名、修了者は120名である。オンデマンド型講義、疾患別演習、コミュニケーションスキル実習から成るすべてのコンテンツはオンラインで、全国各地に受講者を有する。当日は、PsySEPTAの成果と今後の展開について発表する。千葉大学は「メンタルサポート医療人とプロの連携養成」事業でプライマリケアの医療者がメンタル不調の軽症者用の基本的な心の支援スキル、精神科医は精神疾患の難治者用の高度なスキルを学ぶ連携教育プログラムを実践している。広く全国の方がe-learningで受講可能となる「CBTラーニング」を立ち上げ、普及に努めている。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、公認心理師、教師等多様な職種が低強度の認知行動療法の実践をできる人材養成の今後の展開を報告する。東京大学では医学のダイバーシティ教育研究センターを設立した。医学部の学部学生と教員がともに、医療・医学における障害のある構成員の包摂、健康の社会的決定要因、医療従事者自身のアンティスティグマについて学ぶ教育プログラムをスタートした。また、医学部および附属病院にピアサポートワーカーとユーザーリサーチャーを大幅に増員し、医療・医学の共同創造の普及・実装フェーズに入った(D&I x D&I)。京都大学は「発達症の介入による国民的健康課題の解決」事業において、複合領域の知識と技術を用いた支援を要する発達症、中でも自閉スペクトラム症に関して、各ライフステージで生じる問題と課題の多様性に応じた介入方法を導き出すことが可能な支援人材を育成する教育プログラムを展開している。医療職のみならず、学校/司法関係者など医療関連職の受講者を受け入れる中で、受講者の活動や、どのように京都大学と関係機関とのネットワークが構築されているかを報告する。
○清水 栄司 (千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学・子どものこころの発達教育研究センター)
○里村 嘉弘1, 金原 明子1,2, 宮本 有紀1,3, 大島 紀人4, 熊谷 晋一郎5,6, 佐々木 理恵2, 宇野 晃人2, 熊倉 陽介2, 柳下 祥7, 笠井 清登1,2 (1.東京大学大学院医学系研究科医学のダイバーシティ教育研究センター, 2.東京大学医学部附属病院精神神経科, 3.東京大学大学院医学系研究科・精神看護学分野, 4.東京大学相談支援研究開発センター, 5.東京大学先端科学技術研究センター, 6.東京大学バリアフリー支援室, 7.東京大学大学院医学系研究科・構造生理学部門)
○義村 さや香, 十一 元三 (京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻先端作業療法学講座)