JSPN119

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シンポジウム

シンポジウム41
初診患者の精神力動的アセスメントについて

Fri. Jun 23, 2023 8:30 AM - 10:30 AM G会場 (パシフィコ横浜ノース 3F G314+G315)

司会:衞藤 暢明(福岡大学医学部精神医学教室), 池田 暁史(大正大学心理社会学部臨床心理学科)
メインコーディネーター:衞藤 暢明(福岡大学医学部精神医学教室)

 精神科専門医プログラムの中では、精神科専門医としての研修目標として、指導医のもと力動的精神療法を経験することを掲げている。(精神科専門医制度規則施行細則)力動精神医学を基礎においた精神療法について学ぶことを意図したプログラムは、精神科専門医の教育において重要なものとなると考えられる。
 しかし、わが国において精神分析的な理解に触れる機会や、力動精神医学の実践をしている研修機関は限られており、特に一般臨床においてどうその知識を活かしていくかについて学ぶ機会は少ないと考えられる。本シンポジウムでは、精神科専攻医が力動精神医学的な視点を、特に初診患者のアセスメントにおいてどう活かすか、ということに焦点を当て、それらの実践的な内容を扱う。また力動的な考え方について、精神医学の他の分野から見てどう捉えるかについての見方を示し、一般臨床における力動的アセスメントの意義と限界を示し、その位置づけを明確化することを試みる。
 シンポジストとして岡田暁宜が力動的なアセスメントの総論的内容について概説し、白波瀬丈一郎がコンサルテーション-リエゾン領域において、個人と集団の間の精神力動(集団力動)という観点でアセスメントすることの有用性を提示する。中尾智博は、力動的精神医学以外の精神療法の立場から、認知行動療法の視点から初診時のアセスメントについて述べ、力動的視点との共通点と相違について論じる。各シンポジストの発表をふまえて、臨床薬理の視点から渡邊衡一郎が、精神分析の立場から古賀靖彦が指定発言を行う。
 本シンポジウムでは、わが国の精神科医教育の中で精神療法教育をいかに臨床実践に活かすかという課題に対して、各領域のエキスパートの立場から知見を集め、より良い患者理解の方法について学ぶ機会としたい。