○曾根 大地 (東京慈恵会医科大学精神医学講座)
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シンポジウム
シンポジウム56
高齢者精神科診療に必要な多様な視点を探る
Fri. Jun 23, 2023 10:45 AM - 12:45 PM Q会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G418+G419)
司会:渡辺 雅子(新宿神経クリニック精神科)
メインコーディネーター:渡辺 雅子(新宿神経クリニック精神科)
オンデマンド配信対象外
日本全体の高齢化と相対的な増加に伴い、精神科高齢者診療の需要は日に日に高まっている。代表的な認知症のみならず、社会・身体・心理のすべての弱者である高齢者には、児童を上回る複合的な事象が出現し、臨床ではその対応に追われているのが現状である。そこで、本シンポジウムでは高齢者を巡る現状を様々な点から捉え、専門家間の討論と参加者の質問を促したい。うちわけは、まず近年増加中の高齢発症のてんかんの診断と治療を手がかりに、認知症などとの関連を探る。第二は、高齢者が被る恐れの高い虐待の現状を俯瞰し、対策を検討する。第三は、高齢者の抑うつや不安の背景に隠れている変性疾患(パーキンソン病、レビー小体病、進行性核上麻痺など)に着目する。最後に、高齢者の犯罪や法律違反には、社会・身体・心理の背景が関与していることも多く、その分析を行う必要がある。以上の4つの視点は、例えば、てんかん発作中の行動を万引きと間違えられるなど、ともに関連することがある。今後は高齢者を多角的に診ていく、総合的な視点が精神科医に要求される。会員相互の情報交換と広い視野の形成に役立つと考えられるため、本シンポジウムを提案する。
○谷渕 由布子 (医療法人同和会千葉病院精神科)
○芦刈 伊世子 (あしかりクリニック医局)
○岡田 幸之 (国立大学法人東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学分野)