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シンポジウム

シンポジウム63
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状における精神症状の病態と治療の最前線

Fri. Jun 23, 2023 1:15 PM - 3:15 PM K会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G402)

司会:久我 弘典(国立精神神経医療研究センター認知行動療法センター), 尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学)
メインコーディネーター:高松 直岐(国立精神・神経医療研究センターCBTセンター)
サブコーディネーター:久我 弘典(国立精神神経医療研究センター認知行動療法センター)

 2019年12月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が検出されてから、2020年1月30日には世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」が宣言され、同年3月11日にはパンデミックの状態にあると表明された。以降、COVID-19は既存の健康格差を悪化させ、公平な健康上の成果を阻害する社会的・人種的不公正を浮き彫りにした。現在においても世界各国における医療提供体制や施策・経済対策には差異があり、意識や対応のばらつきが生じている。
 2022年10月時点で、本邦におけるCOVID-19感染者は2200万人に及ぶ。COVID-19の罹患後症状もしくはコロナ後遺症と称されるものの診断基準や定義にはばらつきがあるため正確な頻度や有病率を見積もることは困難なものの、COVID-19罹患者の2-4割程度に何らかの症状を残し、それが月単位ないしは長いと年単位で影響を及ぼし続けることが報告されている。明確な定量化と定性的な実態把握の困難さを伴い、個人レベルの影響のみならず、社会生活や医療システムにも大きな負担を及ぼし続けている。
 コロナ後遺症における代表的な精神神経症状には倦怠感や認知機能障害、抑うつ、不安、不眠等が挙げられ、それがもたらす公衆衛生的課題は深刻である。世界各国においてタスクフォースの立ち上げやコロナ後遺症研究の動きが急速に広がる一方で、その病態の理解と治療の提供に関してはunmet needsが高い。これらを踏まえて、本シンポジウムではコロナ後遺症の病態と治療について議論することをテーマとする。
 感染症科医からみたコロナ後遺症の現状とこれからについて議論をまず行う。次に、大規模多施設共同研究におけるコロナ後遺症のプロジェクトの成果を紹介した後、病態と心理社会的治療における現状と課題、及び今後の展望に関しての発表を行う。このテーマを巡り、本邦における最前線の取り組みについて議論を行う。

杉田 創1, 畑 琴音2, 高松 直岐1,3, 木村 健太郎1,3, Gonzalez Lecsy3, Kodaiarasu Krandhasi4, Miller Christian3, 梅本 育恵1, 村山 桂太郎5, 中尾 智博6, 鬼頭 伸介1, 久我 弘典1, 伊藤 正哉1 (1.国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 2.早稲田大学人間科学研究科, 3.コーネル大学, 4.マクリーン病院, 5.九州大学病院, 6.九州大学大学院医学系学府)