○藤澤 大介 (慶應義塾大学医学部医療安全管理部/精神・神経科)
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シンポジウム
シンポジウム67
認知行動療法update: 診療ガイドラインから臨床実践への橋渡し
Fri. Jun 23, 2023 3:30 PM - 5:30 PM C会場 (パシフィコ横浜ノース 1F G6)
司会:中川 敦夫(聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室), 藤澤 大介(慶應義塾大学医学部医療安全管理部/精神・神経科)
メインコーディネーター:中川 敦夫(聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室)
サブコーディネーター:藤澤 大介(慶應義塾大学医学部医療安全管理部/精神・神経科)
認知行動療法は、うつ病、不安症、強迫症をはじめとする様々な精神疾患に対する治療への有効性が臨床試験にて確認されており、国内外の診療ガイドラインにおいて、標準治療の1つとして推奨されている。わが国では、認知行動療法は専門医療技術として2010年より診療報酬の対象となり、パニック症、社交不安症、強迫症、PTSD、摂食障害(神経性過食症)と、診療報酬の対象疾患が拡大した。さらに、不眠や慢性疼痛、統合失調症など認知行動療法の適応が期待される疾患はまだ多い。
ランダム化比較試験にて有効性が確認され、診療ガイドライン等で推奨される治療法が臨床現場で十分に実践されていない状態をEvidence Practice Gapという。このEvidence-Practice Gapを乗り越え、エビデンスに基づいた治療法の一つであるCBTを臨床現場に根付かせるためには、実装戦略を検討しなければならない。
わが国の医療現場における認知行動療法普及の取り組みとして、治療者育成を主眼とした厚生労働省認知行動療法研修事業(workshopやsupervision)が進められ、AMED障害者対策総合研究ではCBT教育資材や各種マニュアルが開発されてきた。しかし、CBTを臨床現場に根付かせ、普及させるためには、まだ多くの課題が残っており、実装戦略をさらに工夫する必要がある。
本シンポジウムでは、わが国の現状を踏まえ、認知行動療法の普及と実装への最新の取り組みと、今後の展開について議論する。
○久我 弘典1,2, 梅本 育恵1,2, 三田村 康衣1,2, 牧野 みゆき1, 駒沢 あさみ1,3, 上原 陽子1,4, 中島 俊1, 伊藤 正哉1, 大野 裕5, 堀越 勝1 (1.国立精神神経医療研究センター認知行動療法センター, 2.東京慈恵会医科大学大学院医学研究科, 3.目白大学心理カウンセリング学科, 4.東日本矯正医療センター, 5.一般社団法人認知行動療法研修開発センター)
○中川 敦夫 (聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室)
○菊地 俊暁 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)
○煙山 剛史 (社会福祉法人桜ヶ丘社会事業協会桜ヶ丘記念病院)
○大野 裕 (大野研究所)