○原田 剛志 (パークサイドこころの発達クリニック)
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シンポジウム
シンポジウム80
診断閾下の発達障害 ~発達障害グレーゾーンという概念の意義と危険性~
Sat. Jun 24, 2023 8:30 AM - 10:30 AM C会場 (パシフィコ横浜ノース 1F G6)
司会:村上 伸治(川崎医科大学精神科学教室), 原田 剛志(医療法人悠志会パークサイドこころの発達クリニック)
メインコーディネーター:原田 剛志(医療法人悠志会パークサイドこころの発達クリニック)
サブコーディネーター:神尾 陽子(医療法人社団神尾陽子記念会発達障害クリニック)
DSM-5から診断基準が狭小となり、自閉特性があっても一部にしか医学的診断が適用されなくなりました。そのため特性によって不適応など生活に障害が生じる成人は医療・福祉・教育上の理解や支援が受けられないという状況が生まれています。一方、治療がうまくいかない時や依存の問題があるの時には「発達障害のせい」とされることもあり、診断基準をよく知らずに過剰診断することで症状や状況の悪化をまねていることもみられます。一般精神診療の中に神経発達症・発達障害が含まれてしばらくたちますが、「発達特性で困っているがDSM-5では診断名を付けられない人たちのケアをどうするか」と「どうやって過剰診断を防ぐのか」という2点が診療上の大きな問題点になっていると考えています。。前者については、特に「職場のメンタルヘルス」における休職者対策や増え続ける不登校への合理的配慮は喫緊の課題です。発達特性への支援をDSM診断が付けられない者にも行えるよう、以前アスペルガー障害、PDD-NOSと診断されていた一群を「(成人の発達障害)グレーゾーン」という治療用の概念として捉えることの有用性を論じ、後者については、「グレーゾーンという言葉の使い方が過剰診断や過度な医療化に繋がらないためにどうしたらよいか」ということを論じる場として企画しました。普段の生活では発達特性が表面化しない者でも、不安やストレスがかかった時、診断閾の人と同様レベルの過大な反応が出るグレーゾーンも存在します。過大な反応のケアについてグレーゾーンと診断閾を区別する必要はありませんが、グレーゾーンが適応の良さから定型発達者と誤解され、発達特性に注意が払われずいつまでも苦しむという状況を打開することができるのではないでしょうか。当日はフロアの皆様とも活発な討議ができることを楽しみにしてます。
○神尾 陽子1,2,3 (1.国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 2.神尾陽子クリニック, 3.お茶の水女子大学)
○本田 秀夫1,2 (1.信州大学医学部子どものこころの発達医学教室, 2.信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部)
○内海 健 (日本銀行医務室)
○大瀧 和男 (かずおメンタルクリニック)
○秋山 剛 (NTT東日本関東病院)