第119回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム83
ガイドライン普及事業の最前線と今後の展開

2023年6月24日(土) 08:30 〜 10:30 G会場 (パシフィコ横浜ノース 3F G314+G315)

司会:尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学), 中込 和幸(国立精神・神経医療研究センター理事)
メインコーディネーター:古郡 規雄(獨協医科大学精神神経医学講座)
サブコーディネーター:稲田 健(北里大学医学部精神科学)

 これまでさまざまな学会等で精神科治療ガイドラインが作成されたがそれが普及し、役立っているのかは十分にわかっていない。そこで2016年より「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究:Effectiveness of GUIdeline for Dissemination and Education in psychiatric treatment」(略称 EGUIDEプロジェクト)が始まり、全国の 270 以上の精神科医療施設が参加するまでになった。EGUIDEプロジェクトは、精神科医に対してガイドラインの教育の講習を行い、ガイドラインの効果を検証する研究を行うものである。ここで集められたデータはさまざな角度から解析され、多くの論文が公表されてきた。また、EGUIDEプロジェクトによる教育事業はこれまでのガイドラインの枠を超え、新たな展開を見せ始めた。
 今シンポジウムではSDMなどガイドラインを使用する際の理念を示したのち、これまでのEGUIDEプロジェクトのデータを総括する。また、実践度を上げるにはどの点に注目するべきか、またガイドラインを使いこなす基本的な臨床技術の習得方法や一般臨床医に対するガイドラインの普及、さらに当事者に対するガイドライン講習など、現時点でのEGUIDEプロジェクトの最前線の取り組みを紹介する。