○菊地 俊暁 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)
セッション情報
ワークショップ
ワークショップ10
映像で学ぶ初診面接-「死にたい」と訴える患者編-
2023年6月24日(土) 10:45 〜 12:25 L会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G401)
司会:新宮 一成(京都産業大学), 水野 雅文(東京都立松沢病院)
メインコーディネーター:中村 伸一(中村心理療法研究室/本郷東大前こころのクリニック)
サブコーディネーター:田中 裕記(国立病院機構九州医療センター精神神経科)
委員会:精神療法委員会
精神療法は、精神科医という主体と患者という主体とが直接ぶつかり、混じり合う中で生じる空間や時間の中で行われており、その技法や手法は様々であることは言うまでもない。また、精神療法が精神科診療を構成する重要な要素であることは、精神科医や精神科医療に携わる者においては自明のことであろう。精神科医にとって、精神療法を学ぶ機会は多様であるが、やり取りの機微を直接体験することはそう多くない。
精神療法委員会では、「映像で学ぶ初診面接」と題して、それぞれ異なるオリエンテーションの精神科医が、同一の模擬患者に対して初診面接を実施する様子を映像で紹介し、それに対して解説・講義を行いながら紹介するワークショップを開催してきた。今回は精神分析的な背景を有する白波瀬、家族療法の視点を有する渡辺、認知行動療法を背景にもつ菊地の3人が、「死にたい」と一般外来で訴える患者に対して、それぞれ面接とその解説を行う。
初回面接では関係性の構築と入院の要否判断を含むアセスメント、一連の治療計画の立案、具体的な介入といった、様々な事柄を限られた時間で実施しなければならない。精神科医の初診時の思考フローの優先順位上位に位置づくものとして、「希死念慮」「自殺念慮」があるだろう。しかし、これらの念慮の表現型である「死にたい」という訴えはその程度と緊急性については濃淡がある。また、その訴えが意味するものは多様であり、一律の対応は困難である。「死にたい」という訴えに直面した臨床家が何を考え、何を意図して、どのように面接を展開するのか。3名の演者による面接・解説を踏まえて、当日はフロア含めて議論を深めたい。
○白波瀬 丈一郎 (東京都済生会中央病院健康デザインセンター)
○渡辺 俊之 (渡辺医院/高崎西口精神療法研修室)
○中村 伸一 (中村心理療法研究室/本郷東大前こころのクリニック)
○田中 裕記 (国立病院機構九州医療センター精神神経科)