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ワークショップ

ワークショップ2
児童精神科医療入門:新シリーズ(6)子どもの精神医学における治療論-技法・その2

Thu. Jun 22, 2023 10:45 AM - 12:25 PM L会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G401)

司会:松本 英夫(医療法人丹沢病院), 岡田 俊(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所知的・発達障害研究部)
メインコーディネーター:岡田 俊(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所知的・発達障害研究部)
サブコーディネーター:松本 英夫(医療法人丹沢病院)

委員会:児童精神科医療委員会

 児童精神科医療委員会は、専門医試験を受験することを目指している精神科医や、そのための研修を支え指導する指導医、さらには子どもの精神科医療に関心のある会員を対象として、子どもの精神科医療に関連する諸課題に関する均衡のとれた基本情報を提供することを目的に活動している。2018年の総会からは、子どもが示す症状の捉え方や病理の理解、治療技法を取り上げている。新シリーズの最終回となる第6回目は、子どもの発症以前の状態像や成育環境の中で起こる問題、子どもを治療する上で必要となる集団力動や地域の環境調整や支援のネットワーク作りについて検討する。
 1 演題目は「精神疾患のアットリスク/発症以前の状態像への介入」と題して、小野和哉委員より、顕在発症する以前の精神病症状の多様な状態像とその捉え方や治療的介入について、小野委員のかかわる追跡研究の結果も踏まえて講述する。
 2 演題目は「トラウマや愛着の課題をかかえる子どもの治療」と題して、桝屋二郎委員より、子どもにおける多様なトラウマ(被災、被虐待、犯罪被害、いじめ被害など)とトラウマ反応、愛着への影響について講述した上で、その基本的対応(PFA、SPR)ならびにトラウマのある子どもたちへの専門的技法(SSET、CBITS、TF-CBTなど)の概略を紹介する。
 3 演題目は「子どもの入院治療の役割―集団力動の治療への応用」と題して、中土井芳弘委員に、児童思春期精神科病棟での治療の実情を踏まえ、入院治療の役割や危機介入的な短期入院の位置づけ、入院環境で展開される治療者や子ども同士の力動を扱う治療的意義について講述する。
 4 演題目は「子どもを支える学校や地域社会とのネットワークづくり」と題して、佐々木剛委員に千葉大学医学部附属病院精神神経科・こどものこころ診療部における医療・学校・福祉などとのネットワーク作りと移行期医療その治療的意義、移行期医療の実践について講述する。
 ワークショップの後には、参加者との質疑応答を含めたディスカッションを予定している。会員諸氏の活発なご参加とご討議をお願いしたい。