JSPN119

Session information

ワークショップ

ワークショップ3
性別不合/性別違和に対するガイドラインに準拠した診療 ~医療チームと身体的治療適応判定会議の構築~

Thu. Jun 22, 2023 1:15 PM - 2:55 PM L会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G401)

司会:織田 裕行(医療法人桐葉会きじまこころクリニック), 今井 伸(総合病院聖隷浜松病院)
メインコーディネーター:織田 裕行(医療法人桐葉会きじまこころクリニック)

委員会:性別不合に関する委員会
オンデマンド配信対象外

 「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン1)2)」において、医療チームを構築するうえで次のことが求められている。「十分な知識と経験を持った精神科医、形成外科医、泌尿器科医、産婦人科医などによって構成される」こと。そして、少なくともその中心メンバーは「日本精神神経学会の主催する(あるいは委託する)専門家研修会での研鑚を積んでいる」ことである。2016年3月に関連学会であるGID学会が認定を開始した「GID 学会認定医」の精神科領域の医師が、この要件を満たす精神科医となっている。GID学会にはこの資格審査のみでなく、研修についても委託されている。
 しかし、日本精神神経学会が研修会などの機会を積極的に提供し、専門的な治療に携わる医師や専門職の数と質を担保する必要性は依然として失われておらず、今後も研修の場を提供する体制を確立していく必要があると当委員会では考えている。本ワークショップは、この趣旨に沿って開催している。
 今回のワークショップでは、精神科領域から2名、ホルモン療法、手術療法などの身体的治療領域から各1名が講師として登壇する。精神科領域は、性別不合/性別違和に関する歴史的経緯、ガイドラインに沿った診療手順について解説し、阿部惠一郎先生には地域におけるジェンダー医療の過去、現在、未来についてご講演頂く。さらに今井伸先生には泌尿器科医の立場からホルモン療法を、百澤明先生には形成外科医の立場から手術療法を中心にご解説頂く。
 すでに多くの精神科医がこの領域の医療に何らかのかたちで関わっており、身体的治療へ移行するために「判定会議はどのように開催すれば良いのか」と尋ねられることがある。そのため、ガイドラインに記されている「医療チームの構築」と「身体的治療に対する適応判定会議の開催」について、各演者からこれまでに遭遇してきた困難と工夫を含めてご講演頂く予定である。
 今回のワークショップを通して、より安心安全なチーム医療が適切な時期に提供される環境が構築され、そのように設計された構造が普及していくことを目的としている。
1)第4版 精神経誌,114;1250-1266,2012
2)第4版改 https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/gid_guideline_no4_20180120.pdf