○忽滑谷 和孝 (東京慈恵会医科大学附属柏病院精神神経科)
Session information
ワークショップ
ワークショップ9
精神神経学雑誌に掲載される論文の書き方(研究計画と統計について)
Sat. Jun 24, 2023 8:30 AM - 10:10 AM L会場 (パシフィコ横浜ノース 4F G401)
司会:谷井 久志(三重大学保健管理センター), 山田 和男(東北医科薬科大学病院精神科)
メインコーディネーター:中尾 智博(九州大学大学院医学研究院精神病態医学)
サブコーディネーター:細田 眞司(こころの診療所細田クリニック)
委員会:精神神経学雑誌編集委員会
本ワークショップは、精神神経学雑誌(本誌)の編集委員会によって企画されたものであり、今後本誌に論文を投稿される若手や中堅の会員と、その指導医となる会員を聴衆に想定している。本誌に掲載されるためには何をどのように書けばよいのか、審査する立場からだけでなく投稿する立場からもご経験を語っていただく。
本誌は、我が国の精神医学関連雑誌の中で最も歴史を有する雑誌であり、国内最大発行部数の精神医学雑誌である。PubMedからアクセスできる世界最大の文献データベースMEDLINE(米国国立医学図書館)にも2017年刊行分まで収載されており、2019年以降についても一部の記事は刊行後直ちに、またほぼすべての記事が刊行1年後には会員外にもオープン化されている。新しい試みとして、機械翻訳(DeepL)による論文の英語版の作成・公開を進めており、本誌に掲載された論文が世界へと発信される機会が作られつつある。
投稿にあたって、投稿論文をそのまま受理するのは例外的であり、構成、記述、考察、倫理的配慮さらには誤字脱字などにいたるまで、いくつかの再考ないし改訂をお願いすることが多いのが現状である。今回のワークショップでは、本誌への掲載を目指す会員に向けて、論文が受理されるにはどのような点に気をつければよいか、特に研究計画と統計解析的視点に重点を置いて4名の演者に登壇頂く。まず本委員会の忽滑谷和孝委員に、論文作成において気をつけるべき全般的な事項について解説して頂く。次に、本誌に投稿された論文について統計解析のチェックを行って頂いている奥村泰之先生に、論文作成において気をつけるべき統計解析のポイントについて専門家の立場からコメントして頂く。後半の2名は、2022年に本誌に掲載された論文の主著者に登壇頂く。福地成先生は「大災害後のコミュニティー支援に何が必要なのか~みやぎ心のケアセンターの活動分析からみえること~」(資料論文、124巻12号掲載予定)、樋口早子先生は「NDBオープンデータに基づくクロザピン使用実態―NDBオープンデータでみた日本のクロザピン処方―」(原著論文、124巻1号: 3-15)、それぞれの主著者であり、投稿から査読を受け論文の修正を行い受理されるまでのプロセスの紹介とともに論文の特徴や論文受理までに苦労された点などを語って頂く。
ワークショップを通して、精神神経学雑誌への関心と理解が高まり、会員および関係者からの投稿が増え、多くの優れた論文がこれまで以上に紙面を飾ることを編集委員一同願っている。
○奥村 泰之 (一般社団法人臨床疫学研究推進機構)
○福地 成 (東北医科薬科大学精神科学教室)
○樋口 早子 (国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)