第120回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

委員会企画シンポジウム

委員会企画シンポジウム11
医療倫理の四原則から考えるオンライン診療

2024年6月20日(木) 15:40 〜 17:40 I会場 (札幌コンベンションセンター 2F 204会議室)

司会:水野 雅文(東京都立松沢病院),相澤 明憲(特定医療法人弓削病院)
メインコーディネーター:藤井 千代(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
サブコーディネーター:水野 雅文(東京都立松沢病院),相澤 明憲(特定医療法人弓削病院)

委員会:医療倫理委員会

医療倫理委員会では、日常臨床に関連する倫理的諸課題についての検討を継続的に行っている。COVID-19 の世界的流行により、2020 年以降オンライン診療の利用が世界中に拡大した。わが国においても、へき地等に住む通院困難な状況にある方や専門医が不足する地域の方、対人不安等で対面での診療に不安を抱える方への医療アクセス改善の必要性、通院負担の軽減を通じた治療脱落の防止など、様々な観点からオンライン診療への期待が高まっている。このように、オンライン診療の普及により、精神科医療現場に様々な恩恵がもたらされると考えられる。一方で、自傷の疑いがある場合の対応の難しさ、商業主義がまん延することへの危惧などの課題もある。COVID-19 を通じて、世界的には通常の精神科診療としてのオンライン診療の存在感は増している。本邦でも、精神科を除く他の診療科では既に医学管理料・指導料がオンライン診療でも算定できるなど、普及が進んでいる。精神科診療においても今後オンライン診療が推進されることが見込まれており、適切な形で普及が進むことが望まれているが、どう進めるべきだろうか?精神科領域におけるオンライン診療に関しては、そのあり方についてこれまで多くの議論が重ねられているが、本シンポジウムでは主として医療倫理の側面に焦点を当てることとする。診療形態の多様化が進む時代においては、医療倫理的課題もまた多様化するものと考えられる。新たな診療形態に対しては、漠然とした不安を持つ者も少なくないものと推察されるが、医学的な有益性や患者の希望とQOL、資源配置等の様々な側面から課題を検討することにより、それらの不安や懸念に冷静に対処していく必要がある。本シンポジウムでは、医療DX 委員会との協働により、主として医療倫理の四原則「自立尊重」「無危害」「善行」「公正・正義」の側面からからオンライン診療のもつ可能性と課題について検討する。