第120回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

委員会企画シンポジウム

委員会企画シンポジウム12
日本における自殺の問題点

2024年6月21日(金) 08:30 〜 10:30 I会場 (札幌コンベンションセンター 2F 204会議室)

司会:張 賢徳(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所),太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学)
メインコーディネーター:張 賢徳(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
サブコーディネーター:太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学)

委員会:自殺予防に関する委員会

日本では1998 年に自殺が激増し、年間自殺者3 万人以上の時代が14 年間も続いた。2006 年に自殺対策基本法ができ、さまざまな対策が実施され、2012 年にようやく年間自殺者数は3 万人を下回り、以後2019 年まで順調に低下していた。しかし、2020 年にコロナ禍が始まってから自殺者は再び増加に転じた。一般に自殺者数の推移は社会的な影響を受けるものだが、日本はその影響が強く現れやすい。それに、そもそも日本は98 年以前から自殺率が高い。世界保健機関(WHO)は自殺率が15 以上の国を高自殺率と区分けしているが、日本は長い間、高自殺率国のままである。日本はなぜ自殺率が高いのか、なぜ社会的要因の影響を受けやすいのか、日本人の自殺観はどのようなものなのか、日本の自殺の実態調査は進んでいるのか、など自殺にまつわる問題を取り上げ、議論を深めたい。そして、臨床家が日常臨床で心の留めておくべき自殺予防のヒントが得られることを期待したい。