第120回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

委員会企画シンポジウム

委員会企画シンポジウム17
日本精神神経学会の「精神疾患の克服と障害支援にむけた研究推進の提言」がもたらしたもの

2024年6月21日(金) 15:40 〜 17:40 H会場 (札幌コンベンションセンター 2F 小ホール)

司会:尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学),加藤 忠史(順天堂大学)
メインコーディネーター:尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学)
サブコーディネーター:橋本 亮太(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神疾患病態研究部)

委員会:精神医学研究推進委員会

日本精神神経学会は、関連11 学会及び日本脳科学関連学会連合と共同で、2023 年4 月に「精神疾患の克服と障害支援に向けた研究推進の提言」およびその当事者・家族・一般向け版を発表した。精神科医療関係者や精神医学研究者は、精神疾患研究推進の必要性を再認識し、それが広く当事者、家族、一般、及び関係機関に理解され、研究が進められ、精神疾患の克服と障害の支援が行われることを目指している。この提言は、2013 年から5 年ごとに発表され、今回が3 回目である。提言では、精神疾患研究推進の必要性や前回の提言からの進展を初めに取り上げている。最も重要な精神疾患の現状と課題については、国民全体のメンタルヘルス問題、精神疾患の病態解明、診断法・治療法の開発と普及の3 つのフェーズに分けて述べている。これらのフェーズに関する研究戦略は、精神科の研究者、診療者、関連領域の研究者、企業、当事者、家族、そして支援者の協力のもと、真正面からの突破を目指している。この提言は、広く受け入れられるように当事者、家族、一般向けのバージョンも用意されている。このような提言を発出して、その実現に向けた産官学連携活動を促進するために、経産省、PMDA、産業界(日本脳科学関連学会連合産学連携諮問委員会)等に説明と意見交換を実施した。その結果。新たな連携が形成され、精神疾患研究に関連する研究体制が生まれることが期待される。本シンポジウムでは、産官学の連携による将来の精神疾患研究の方向性を論じる。