第120回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

委員会企画シンポジウム

委員会企画シンポジウム22
本邦における脳刺激療法の到達点と今後の展開

2024年6月22日(土) 08:30 〜 10:30 K会場 (札幌コンベンションセンター 2F 206会議室)

司会:髙橋 隼(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室),奥村 正紀(東京都立豊島病院精神科)
メインコーディネーター:髙橋 隼(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)
サブコーディネーター:奥村 正紀(東京都立豊島病院精神科),髙橋 英彦(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学)

委員会:精神科医療機器委員会

本シンポジウムは精神科医療機器委員会(旧ECT・rTMS 等検討委員会)が企画し、本邦で臨床応用されている脳刺激療法である電気けいれん療法(ECT)と反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法の最近のトピックスを発表し、現在の到達点と今後の展開について議論する。近年のECT 施行においては、発作増強のためなどに様々な手法が行われるようになってきている。フルマゼニル、麻薬指定薬剤であるレミフェンタニルやケタミンの使用、通電のタイミングを図るための麻酔深度モニタリングなどが行われている。これらの施行方法は精神科医以外の医療スタッフ、特に麻酔科医や看護師の協力が必要不可欠である。本シンポジウムではチーム医療によるECT の質向上を目指し、精神科医と麻酔科医、看護師との連携に焦点を当てる。ECT の現状と今後日本でも導入が期待される高出力治療器などについて野田隆政が総括し、ECT の発作増強のための麻酔管理について麻酔科医である門井雄司が発表する。その上でECT の質の向上に向けどのようなアプローチが必要か議論していきたい。薬物治療抵抗性うつ病へのrTMS 療法については、2019 年6 月に保険収載されて約4 年半が経過した。本委員会はrTMS 保険診療の適切な普及と発展を目指しているが、本シンポジウムではrTMS 療法市販後調査の結果について中村元昭が発表し、rTMS 適正使用指針の改訂について松田勇紀が報告する。2023 年11 月現在、rTMS 保険診療を実施している施設は全国で約50 施設となっている。まだまだ十分ではないが着実に実施施設が増えてきている中、本シンポジウムで本邦での治療成績や運用の進展を報告し、rTMS 療法の今後の発展について議論を展開したい。

松田 勇紀1,2,3, 髙橋 隼4, 鬼頭 伸輔2,3 (1.京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康増進・行動学, 2.東京慈恵会医科大学精神医学講座, 3.国立精神・神経医療研究センター病院, 4.大阪大学大学院医学系研究科 精神医学教室)