森脇 久視 (神奈川県立精神医療センター)
セッション情報
委員会企画シンポジウム
委員会企画シンポジウム25
地域の課題解決にむけた精神科急性期医療
2024年6月22日(土) 10:45 〜 12:45 J会場 (札幌コンベンションセンター 2F 201+202会議室)
司会:来住 由樹(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター),水野 雅文(東京都立松沢病院)
メインコーディネーター:来住 由樹(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター)
サブコーディネーター:水野 雅文(東京都立松沢病院)
委員会:急性期治療のあり方検討委員会
精神科急性期医療に求められるニーズは社会構造の変化とともに変遷しており、接合する領域が多様になってきた。次期医療計画では、精神科医療の関与が、一般救急医療、災害医療、新興感染症拡大時の医療、へき地医療、周産期医療、小児医療に要請されている。これら領域において精神科医療が適切に役割を果たすことができれば、国民の健康の向上に寄与ができるはずである。また改正精神保健福祉法では、市町村には精神保健に関する課題に対応できる相談支援を求められることとなった。自殺、ひきこもり、子育て、虐待、DV、PTSD 等、多様なニーズに対応する市町村、相談支援事業所と連携することにより、精神科急性期医療は多くの貢献ができる。「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」では、誰もが地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、福祉・介護、住まいが包括的に機能することが求められる。精神科急性期医療が、これら関係機関と連携することができれば、「その人らしい暮らし」を多様に支えることができる。いまや精神科医療関係者のみで業務を遂行すればよい時代は去り、他の診療科、近接領域の支援機関との協働が強く求められるようになっている。しかし私たち医療機関の構造改革は、その変化に追い付くことはできているだろうか。改めて足元の精神科医療をみると、精神科病院への長期入院の問題は、いまだ解決していない。これは、今ある仕組みを総動員し、権利擁護の視点を加え、精神科急性期医療を「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の中に位置づけ、適切な医療を提供することにより自ずと解決に向かうのではないか。精神科急性期医療のあるべき姿は明確になりつつあるが、実装については地域差も大きく、解決すべき課題も多い。本シンポジウムでは少しでもあるべき姿に近づくための具体的な方略についても議論をしたい。
船山 道隆 (足利赤十字病院神経精神科)
平安 良雄 (社会医療法人へいあん平安病院)
河野 次郎 (宮崎県立宮崎病院精神医療センター)