細金 奈奈 (社会福祉法人恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育クリニック小児精神保健科)
セッション情報
委員会企画シンポジウム
委員会企画シンポジウム29
親子・学校・女性の支援って?:機関を越えてつながり支えていく
2024年6月22日(土) 13:15 〜 15:15 J会場 (札幌コンベンションセンター 2F 201+202会議室)
司会:二宮 貴至(浜松市精神保健福祉センター),上野 千穂(京都市第二児童福祉センター診療所)
メインコーディネーター:渡辺 雅子(医療法人社団千紫会新宿神経クリニック)
委員会:親子・学校・女性に関する委員会
本委員会のキーワード「親子」「学校」「女性」から連想される言葉はどのようなものでしょう。本来は「絆」や「愛情」、「安心」「幸福」といったポジティブなものであってほしいものです。一方、令和4 年の児童虐待件数は219,170 件、小・中学校の不登校児童生徒数も約29 万9 千件と、いずれも過去最多を更新しており、加えてコロナ禍以降、女性の自殺者数も増加を続けて、令和4 年に改訂された自殺総合対策大綱の重点施策には女性の自殺対策の推進が新たに掲げられました。こういった社会状勢を背景に病院を訪れる患者さんに寄り添っていると、しばしば診察室の中だけでは解決できない問題にぶつかります。そんな時は、ともすれば「壁」や「溝」、「狭間」といったネガティブなワードを連想してしまうかもしれません。こうした障壁が生じる理由は、制度の谷間や社会規範の歪み、行政の縦割りなど様々でしょうが、私たち医療側から障壁の向こう側の機関や支援者につながることで、患者さんの抱える課題に光が差す場合が多いものです。精神疾患の患者数も令和2年の患者調査では615 万人と増加の一途を辿っています。患者さんを私たち精神科医だけで支えるのではなく、それぞれの領域で患者さんを支えている機関や支援者と信頼関係を築きながら、連携していくことが必要不可欠な時代になっています。加えて、そうした機関で精神保健の課題に積極的に関わる支援者が不足しているために、人材の育成も大きな課題です。この企画ではシンポジストそれぞれの診察室で感じる様々な障壁や、その向こう側で患者さんを支えている機関や支援者との関わりをご紹介頂くとともに、支援者側から私たち精神科医に求められる役割について考察を深めながら、どんな障壁をも越えていく架け橋となる「支援者支援」の可能性を会場の皆さんと一緒に追求したいと思います。特に若手の皆さんの参加をお待ちしています!
佐藤 真耶 (聖ルチア会聖ルチア病院)
舩渡川 智之 (東邦大学医学部精神神経医学講座)
飯田 直子 (京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
林 みづ穂 (仙台市精神保健福祉総合センター)