中塚 幹也1,2,3 (1.岡山大学学術研究院保健学域, 2.岡山大学ジェンダークリニック, 3.岡山大学病院リプロダクションセンター)
セッション情報
委員会企画シンポジウム
委員会企画シンポジウム4
性別不合を持つ人々が直面する困難について
2024年6月20日(木) 08:30 〜 10:30 K会場 (札幌コンベンションセンター 2F 206会議室)
司会:齋藤 利和(社会医療法人博友会平岸病院/札幌医科大学),宮内 和瑞子(医療法人医生会宮内クリニック)
メインコーディネーター:齋藤 利和(社会医療法人博友会平岸病院/札幌医科大学)
サブコーディネーター:宮内 和瑞子(医療法人医生会宮内クリニック)
委員会:性別不合に関する委員会
オンデマンド配信対象外
性的マイノリテイLGBTQ に対する関心が高まりつつある。加えて「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が今年6 月16 日に成立した。この法律では「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性を受け入れる精神を涵養し、もって性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資すること」とされている。しかしLGBT の当事者や団体などから「今の取り組みや理解を後退させる」、「性的少数者への差別を助長する」などの意見がある。また、医療の分野でも大きな変化がある。世界保健機関(WHO)が公表したICD-11 ではICD-10 の性同一性障害が性別不合に変更された。変化は名称だけではない。ICD-10 の性同一性障害は「精神および行動の障害」に分類されていたがICD-11 の性別不合は新設された「性の健康に関する状態」に分類された。このことは性別不合が精神疾患のリストから外れたことを意味している。性別不合は「実感する性別と割り当てられた性との間の顕著で持続する不一致」。「多くの場合実感する性別で生活し、受容されるための「移行」を望む」。この「手段として実感する性別に身体を適合させるための、ホルモン療法、手術、または他の医療サービスを望む」とされている。現に日常臨床では多くの当事者の悩みと苦しみを経験する。たとえば思春期になって2 次性徴が始まれば、実感する性別が男性の場合は、乳房が膨らんできたことに対する、違和感・苦悩等である。社会家庭生活でも、他の数多くの悩みや苦しみを体験することとなる。制度上の問題もある。また、性別適合手術を受けたくても、手術に医療保険の適応が事実上不可能な状態にあり、外国での手術を余儀なくされるが、そこには様々な問題がある。本シンポジュウムでは性別不合を持つ人々が直面する困難について考えたい。
太田 順一郎 (岡山市こころの健康センター)
松永 千秋 (ちあきクリニック)
池田 官司 (医療法人北仁会幹メンタルクリニック)
難波 祐三郎 (岡山大学病院ジェンダーセンター)