The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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委員会企画シンポジウム

委員会企画シンポジウム7
コンサルテーション・リエゾン場面における精神療法について

Thu. Jun 20, 2024 1:25 PM - 3:25 PM C会場 (札幌コンベンションセンター 1F 中ホールA)

司会:原田 誠一(原田メンタルクリニック),岩木 久満子(顕メンタルクリニック)
メインコーディネーター:岩木 久満子(顕メンタルクリニック)
サブコーディネーター:池田 暁史(大正大学心理社会学部臨床心理学科/個人開業)

委員会:精神療法研修委員会

本シンポジウムは精神療法委員会の企画である。コンサルテーション・リエゾン場面では、身体科の患者との治療関係の構築や日々変化する身体の状態に応じた対応など、通常の臨床場面とは異なる視点で精神療法を進めていく必要がある。さらにリエゾン場面では、困っているのは患者本人ではなく病棟スタッフであり、患者よりもスタッフの訴えを聴き、そちらに介入するといった集団力動的な視点も求められる。今回はリエゾン場面における精神療法について経験豊富な精神科医4 人と、精神科医にリエゾンを要請する側である緩和ケア医1 人の計5 人が登壇し、コンサルテーション・リエゾンのあり方について多角的な検討を加えることを目的とする。まず、かつて東海大学においてコンサルテーション・リエゾン精神医学の導入に携わった渡辺が主として力動的な観点から、リエゾン場面でいかに患者を精神療法に導入するかという治療構築の工夫から精神療法の実際までの話と、身体科の医師との意思疎通をどう図るかなど、初学者から経験者までを対象とした総論を述べる。次に久我が認知行動療法的視点が有用なリエゾン場面について解説する。主に精神分析的視点を援用しつつ自殺企図者の対応に従事している衞藤は、自殺企図患者等に対する救命センターのリエゾンの実際を紹介する。その後、舘野が主として森田療法の立場からがん患者の対応など大学病院でのリエゾン場面について概説する。そして最後に静岡県立総合病院緩和医療科の岸本が、緩和ケアに携わる内科医から見た精神科リエゾンの現状と今後の課題について展望を述べる。その後、フロアも含めてディスカッションすることで、リエゾン場面で我々精神科医に求められる精神療法ないし精神科医療とは何かについて深く考える場にしたい。