The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

Session information

オンデマンド配信限定セッション

オンデマンド配信限定セッション9
多機能型診療所による地域への働きかけ

司会:大嶋 正浩(医療法人社団至空会メンタルクリニック・ダダ),窪田 彰(医療法人社団クボタクリニック)
メインコーディネーター:大嶋 正浩(医療法人社団至空会メンタルクリニック・ダダ)
サブコーディネーター:窪田 彰(医療法人社団クボタクリニック),長谷川 直実(医療法人社団ほっとステーション大通公園メンタルクリニック)

精神保健福祉の実践の形の一つとして、多機能型精神科診療所が地域で展開されている。近年言われている、多職種連携、チーム医療はもとより、地域連携、医療福祉連携等の基盤を作っている。自院で心理師、精神保健福祉士、作業療法士等を置き地域の同専門家と連携して地域とのネットワークを作ったり、デイケア・訪問看護に加え福祉施設(就労訓練、生活介護、相談支援等)を運営し、それらが地域の同種の施設と連携をとることで医療福祉連携が地域に広がったりする。人も箱も、地域との連携のハブになる。診療所というアクセスしやすい医療機関が地域連携チームの一員として参加しているということは、様々な病理・病態の方を受けとめる可能性が広がる。病院等より利用者のニーズの変化に応じ柔軟に対応できる構造である。また、職種同士の連携など特別なコストがかからない連携が可能である。人のつながりにより、支援の構造は広がっていく。お互い、
他の施設や地域の様々なスタッフ等との交流そのものが臨床研修となり、スタッフ養成の場となっている。診療所の特性を生かし地域と平らな関係を構築していくことが、地域づくりには大切と思われる。地域で知り合った人の縁を大事にし、その方たちがNPO 運営をすることとなり、NPO と診療所が連携し様々な活動が展開されている状況を報告する。また、児童相談所から依頼の虐待ケースの治療にあたり、治療の大きな部分は心理士が担うが、多機能ならではの相談支援が大きな力になり、地域の養護施設やグループホーム職員等から頼りにされ、児童相談所や地域との自然発生的ネットワークの報告をする。幼児から就労、および老年期まで切れ目のないシステマティックな支援の報告をする。様々な支援の展開の報告に加え、往診や訪問、およびクリニックの中での丁寧な支援について報告するとともに、今後の多機能型診療所の地域とのかかわり方についても提案をする。