第120回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

一般シンポジウム

一般シンポジウム22
メディア×メンタルヘルス3.0:どう協働すべきか

2024年6月20日(木) 13:25 〜 15:25 M会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームA)

司会:太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学),松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部)
メインコーディネーター:太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学)
サブコーディネーター:松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部),斎藤 環(筑波大学医学医療系)

近年のメディアは、SNS や多様なコンテンツによって情報発信力を著しく高め、自殺、依存症、ひきこもりなど社会精神医学の主要問題にも大きな影響を与えている。それは、報道内容や表現手法によって、スティグマ、偏見、誤解、差別を高めて問題を社会的に悪化させる場合もあれば、社会の意識を変えて予防に貢献する場合もある。また、精神科医は患者を通してメディアの課題に直面するのみならず、自ら日常的にメディア発信をすることでメンタルヘルス課題の変革を試みる者も増えている。
このようにメンタルヘルスとメディアがかつてなく近接している現在、精神科医とメディアはどのような協働が望ましいだろうか。従来の精神科医が主催するメディアカンファレンスやメディアが開く記者会見は、メディアとメンタルヘルスが互いの立場を述べ、責任を強制するだけで、協働のための議論が十分とはいえなかった。本シンポジウムではこのような問題意識に基づき、メディアに関連が深い精神科医(シンポジスト)と医療に関心の深いジャーナリスト(指定発言者)で、メディアとメンタルヘルスの望ましい関係性と協働のあり方について議論する過去に例のない実験的シンポジウムを開催する。
具体的にはまず、シンポジスト3 氏が、各々の専門領域である自殺、依存症、ひきこもりとメディアの課題について10 分程度講演を行う。次に、総合討論としてフリージャーナリストの指定発言者2 氏がメディア、ジャーナリズムの現状をコメントした後、シンポジストが指定発言者にオープンに質問し、時にリフレクティングしつつ、メディアとメンタルヘルスの課題と協働の在り方をポリフォニックに対話していく。