第120回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

一般シンポジウム

一般シンポジウム23
精神科領域における脳波活用の臨床と将来を語る

2024年6月20日(木) 13:25 〜 15:25 N会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームB)

司会:池田 俊一郎(関西医科大学医学部精神神経科学教室),西田 圭一郎(大阪医科薬科大学神経精神医学教室)
メインコーディネーター:西田 圭一郎(大阪医科薬科大学神経精神医学教室)
サブコーディネーター:石井 良平(大阪公立大学大学院リハビリテーション学研究科),吉村 匡史( 関西医科大学リハビリテーション学部作業療法学科/関西医科大学医学部精神神経科学教室)

オンデマンド配信対象外

脳波は、てんかん、せん妄、睡眠などの診断に不可欠である。しかし、精神科で考えると、てんかん患者の診療数の減少と共に、脳波の利用は漸減傾向であり、それに加えて脳波検査の判読に自信がないため、脳波検査自体を避ける医師が増えている。この状況は、脳波を用いた鑑別診断が難しくなり、精神科の臨床力が低下することを意味する。一方、デジタル脳波計の進化により、工学や心理学の分野での利用は増えており、最近、ポータブルデバイスの発展やAI への応用といった新しい領域での活用が期待され、研究分野における脳波の存在感は高まっている。このシンポジウムでは、国内の脳波研究の第一人者が発表を行い、脳波の簡便さや非侵襲性という特徴を持つ脳機能測定装置の観点から、その現状と未来を考察する。具体的なテーマとしては「AI と認知症/せん妄」について畑先生(大阪大学)、「ポータブル脳波とせん妄」で西澤先生(大阪医科薬科大学)、「うつ病と脳波定量解析」に関して南先生(関西医科大学)、「神経発達症における脳波」は太田先生(奈良医科大学・看護学)、「リハビリにおける脳波」吉村先生(関西医科大学・作業療法学科)による発表と、精神科関連分野をカバーすることで、精神神経学会の多くの会員が興味を持てるように幅広く演者を配した。本シンポジウムを通じて、精神科および医療における脳波の重要性を再確認し、他の分野とのギャップを縮め、リーダーシップを取るべき分野であることを強調することを目指す。