The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム24
非定型精神病とカタトニアを見つめ直す

Thu. Jun 20, 2024 1:25 PM - 3:25 PM O会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームC)

司会:髙木 学(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学),金沢 徹文(大阪医科薬科大学)
メインコーディネーター:金沢 徹文(大阪医科薬科大学)
サブコーディネーター:髙木 学(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学)

統合失調症と双極性障害の2 つの極に挟まれた病像は古くから何かと議論が絶えない。互いの極が進展・縮小・再定義を繰り返すために、その煽りを受け、間に挟まれた形の非定型精神病(急性一過性精神病性)とカタトニアは、長期に渡る予後や転帰も様々であるため疫学的調査や最適化された治療法も確立されないままに時は過ぎている。非定型精神病(急性一過性精神病)は日本で発展してきた概念で、急性に精神病症状の発来を認めるものの治療に反応することで残遺症状を残さないという興味深い疾病単位である。一方、カタトニアは器質性、内因性、心因性の多くの疾患が含まれる病(態)像であり、両者のオーバーラップも臨床現場では稀ならず見られてきた。そういった状況の中で自己免疫性脳炎や器質因による両者への関与が医学的証左を強めるに従い、この状況はターニングポイントを迎えている。病態解明やそれを語る精神病理学的用語に精神医学が目を向ける時代が到来しているといえよう。今回のシンポジウムでは往時から精神科医が出会うことが多く、重症例や再発例も多いため主戦場としてきたこの2 つの病像に、最新の光を当てることを目的とする。非定型精神病やカタトニアの遺伝学的視点から(金沢)、自己免疫的視点から(酒本)、脳科学的視点から(朴)といった内容に加えて、古くから語り継がれてきた精神医学の用語の整理や治療(諏訪)も話題にしたい。基礎から臨床まで、非定型精神病とカタトニアという重要な病態について、骨太な内容を聴衆者らと議論することで、2 つの病像の未来に向けた提言を行う機会となればこれに勝る喜びはない。