The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム28
現場を変えうるせん妄研究最前線

Thu. Jun 20, 2024 3:40 PM - 5:40 PM C会場 (札幌コンベンションセンター 1F 中ホールA)

司会:八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院),岸 泰宏(日本医科大学武蔵小杉病院)
メインコーディネーター:八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院)
サブコーディネーター:岸 泰宏(日本医科大学武蔵小杉病院)

せん妄の臨床は、多方面からの研究の進展によって10 年前とは全く異なり、さらに進化しようとしている。本シンポジウムでは、臨床現場を変えつつある研究を紹介しながら、さらに10 年先を展望したい。
1. スボレキサントのせん妄予防治験の結果報告:八田耕太郎(順天堂大学)2020 年から2 年間にわたって実施したせん妄予防の治験結果を初めて報告する。過活動型せん妄に対する有意な予防効果が認められたことは、臨床現場にとって大きな意義がある。
2. ラメルテオンのせん妄予防治験の中間報告:榎戸正則(国立がん研究センター東病院)せん妄ハイリスクがん患者の術後せん妄予防におけるラメルテオンの有効性と安全性に関する多施設共同二重盲検化プラセボ対照ランダム化比較試験の進捗状況を報告する。
3. せん妄検出および予後予測に関する生理学的・薬理学的アプローチ:篠崎元(スタンフォード大学)せん妄検出に多用される質問紙スクリーニングは、感度・特異度とも十分でない。そこで新しい取り組みとして、新規開発簡易脳波計によるせん妄検出・予後予測、およびメトホルミンとNSAIDs の服用歴とせん妄や死亡リスク低下との関連性について蓄積してきたエビデンスを報告する。
4. せん妄対策の医療全体へのValue:岸泰宏(日本医科大学武蔵小杉病院)精神医療と一般医療の統合が進められているが、精神障害への効果をみるだけでなく、一般医療を含めた医療全体への効果を重要視する必要がある。せん妄の予防・治療を含めた対策は、精神医療が医療全体にValue を与える代表例である。したがって、医療政策的にも更に重要視していく必要がある。
本シンポジウムでは、せん妄対策の医療全体へのValue についてまとめる。
指定発言:西村勝治(東京女子医大)
本シンポジウムは、日本総合病院精神医学会の推薦を受けている。

八田 耕太郎1, 岸 泰宏2, 和田 健3, 竹内 崇4, 平 俊浩5, 上村 恵一6, 小川 朝生7, 高橋 香苗8, 佐藤 麻子8, 白川 将義8, Herring W. Joseph9, 新野 伊知郎8 (1.順天堂大学医学部附属練馬病院, 2.日本医科大学武蔵小杉病院, 3.広島市立広島市民病院, 4.東京医科歯科大学病院, 5.福山市民病院, 6.斗南病院, 7.国立がん研究センター東病院, 8.MSD株式会社, 9.Merck & Co., Inc.)