The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム30
若者のメンタルヘルス問題の現実と対応:大学キャンパスを拠点に

Thu. Jun 20, 2024 3:40 PM - 5:40 PM G会場 (札幌コンベンションセンター 1F 108会議室)

司会:安宅 勝弘(東京工業大学保健管理センター),太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学)
メインコーディネーター:安宅 勝弘(東京工業大学保健管理センター)
サブコーディネーター:太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学)

精神障害の多くが発症あるいは事例化する青年期にある若者のメンタルヘルスが重要であることは論を待たない。医療機関での臨床実践とは別に、教育現場における予防活動や、未受診・未診断あるいはサブクリニカルな病態を呈する大学生への精神科医・心理職のアプローチについて、大学における支援の実践とその効果検証など研究活動に関する情報共有および討議の場として本シンポジウムを構想した。
キャンパスメンタルヘルスの喫緊の課題の1 つは学生の自殺対策である。国立大学では休学・退学の実態調査の一部として20年以上にわたり学生の死亡実態調査を継続実施してきたが、COVID-19 パンデミック以降は文部科学省の委託を受け公立・私立大学も対象とした日本全体の大学生の自殺の実態調査が行われている。発表1 ではこの調査の実施経緯および最近のデータを中心に報告する。発表2 では大学における自殺対策の実施状況調査から見えてきた現状と、演者らが開発した自殺予防教育プログラムの実施およびその効果検証の報告をもとに大学生の自殺予防対策について論じる。
さらに大学におけるメンタルヘルス対策は、障害学生支援の枠組みにおいても重要な位置を占める。発表3 では大学保健管理施設の心理専門職が実践する学生支援活動とその意義について論じる。発表4 では大学で実施可能な発達障害特性を有する学生を対象としたグループプログラムの開発・試行の報告を中心に、大学における発達障害学生支援について論じる。
これら4 つの発表を通じてキャンパス・メンタルヘルスの現状と課題について発表者ー参加者相互の討議を行うことで、広く若者のメンタルヘルスについての問題意識が深まり、対策の新たな展開の端緒となることが期待される。