The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム32
うつ病日常臨床に活用したい幅広いアプローチ

Thu. Jun 20, 2024 3:40 PM - 5:40 PM K会場 (札幌コンベンションセンター 2F 206会議室)

司会:小曽根 基裕(久留米大学医学部神経精神医学講座),吉村 玲児(産業医科大学医学部精神医学教室)
メインコーディネーター:小曽根 基裕(久留米大学医学部神経精神医学講座)
サブコーディネーター:吉村 玲児(産業医科大学医学部精神医学教室)

かつて単極性うつ病は「こころのかぜ」と呼ばれ、「休息と服薬」さえ遂行できれば治りやすい病であるとされた。しかし、近年はそのヘテロジニアスな病態を背景に、抗うつ薬の寛解率の低さ、効果や認容性における個体差、併存する認知機能低下、残遺症状など様々な問題が指摘され、リカバリー達成の困難さが明らかにされている。米国精神保健研究所が行ったSTAR * D研究によるとレベル1 から4 までの累積寛解率はそれぞれ33%,57%,63%,67% と決して高いとは言えず、治療法による差は認められなかった。さらに各レベルでは切り替えよりも強化・併用療法の方が症状改善率や寛解率が高かったことから、抗うつ薬選択のみならず、認知療法を含めた強化・併用療法の重要性が明確にされた。そこで本シンポジウムでは薬物のみならず幅広い観点から実臨床に活かせるアプローチ方法の向上と普及を目的に、各大学独自のうつ病治療における取り組みを各シンポジストより提示して頂き、その知見について全体でディスカッションを行う。