岡野 憲一郎1,2 (1.本郷の森診療所, 2.京都大学)
セッション情報
一般シンポジウム
一般シンポジウム34
解離症・機能性神経症状症(転換性障害/変換症)を取り巻く最近の話題:診断から治療,心理社会的支援まで
2024年6月20日(木) 15:40 〜 17:40 M会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームA)
司会:野呂 浩史(南平岸内科クリニック精神神経科),岡野 憲一郎(本郷の森診療所/京都大学)
メインコーディネーター:野呂 浩史(南平岸内科クリニック精神神経科)
サブコーディネーター:岡野 憲一郎(本郷の森診療所/京都大学),野間 俊一(のまこころクリニック)
解離症はその診断や治療に関して、いまだに精神科医により異なる見解が示されることの多い精神障害である。ICD-11 における解離症は、心身の両面を含む包括的な視点に立ち、より一貫性を有する臨床的に有用な診断基準に至ったと考えられる。本シンポジウムは、解離症・機能性神経症状症(転換性障害/ 変換症:以下、変換症と略す)についての最新の知識の共有とより深い理解を目的として開催される。シンポジストの話題提供を通して、さらにフロアとのディスカッションによって最新の研究成果や治療法について学ぶ貴重な機会となることが期待される。具体的な内容として主に以下の4 点が挙げられる。(1)解離症と変換症の基本概念と診断基準の解説(2)解離症や変換症の原因と関連する心理的・生物学的要因の解説(3)解離症や変換症における最新の治療法やアプローチについての解説(4)患者自身だけでなくその家族へのサポートを含む、心理社会的支援の実際の報告ICD-11 における解離症の診断基準のICD-10 からの変更点として、その分類が大幅に改変されたこと、従来の変換症について「解離性神経学的症状症」という表現が用いられたことなどが挙げられる。当日はその詳細についての解説が予定されている。また、解離性の症状はその他の精神障害、例えばPTSD などとの関連も深く、この点を含めた解離症・変換症への治療的アプローチの検討も本シンポジウムの内容に含まれる。さらに、この疾患の治療・サポートにおいては、患者自身のみならず家族間力動や社会的関わりのあり方、文化的背景等のアセスメントも重要である。当日は架空症例を基にした心理社会的支援の実際が報告される予定である。これらの側面から解離症・変換症をより包括的に、広範な視野から検討する。
野間 俊一 (のまこころクリニック)
市井 雅哉 (兵庫教育大学大学院発達心理臨床研究センタートラウマ回復支援研究分野)
荒川 和歌子1, 野呂 浩史2 (1.南平岸内科クリニック臨床心理部門, 2.南平岸内科クリニック精神神経科)