The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム35
オープンダイアログが日本の精神医療に与えるインパクト:真に役立つものとなるには

Thu. Jun 20, 2024 3:40 PM - 5:40 PM N会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームB)

司会:森田 展彰(筑波大学医学医療系),斎藤 環(筑波大学医学医療系)
メインコーディネーター:森田 展彰(筑波大学医学医療系)
サブコーディネーター:斎藤 環(筑波大学医学医療系),笹原 信一朗(筑波大学医学医療系)

本学会でも紹介してきたようにオープンダイアローグの普及と実践が確実に広がりつつある。そして今や患者や家族などの当事者から日常臨床での普及を望む声が多く上がって来ている。その背景には、神出病院事件、滝山病院事件など精神科病院での痛ましい事件の報道、2021 年5 月にWHO(世界保健機構)より地域精神保健サービスに関するガイダンス:人間中心の、権利に基づくアプローチの促進(Guidance on community mental health services: Promoting person-centered and rights-based approaches)の発表により、世界中の人権擁護に関する地域精神保健サービスが紹介され、そのうちの1 つとしてオープンダイアローグが紹介されたことで、当事者にとって真に役立つ精神医療の一つとしてフォーカスされて来ていることがある。しかしながら、まだ日本では人的資源、保険適用外などの経済的な問題から、導入している施設はまだ少ないのが現状であり、さらにその臨床実践のエビデンスが少なく、保険診療収載への道筋は検討の途上にある。一方で、海外ではイギリスを中心に行われたオープンダイアローグに関する大規模無作為比較対照試験が終了し、その結果が報告されて来ている。また、民間の実践団体による多様な実践報告も重ねられて来ており、WHO が目指す「患者の人権を守り、リカバリーを促進し、患者が生き生きと地域で生活できる」精神医療の実現に、真に役に立つものとして期待されている。そこで、本シンポジウムでは、オープンダイアローグが日本の精神医療に与えるインパクトについて、オープンダイアローグに関わるシンポジストが一同に会して、対話的にこの問題について提起と提案を重ねる。その際、専門家だけでなく、オープンダイアローグの対話実践を行う当事者・家族の方からもお話を伺う。以上の発表の後で、最後にオープンダイアローグ形式でシンポジストと座長とフロアも交えてリ
フレクティングを行う。