第120回日本精神神経学会学術総会

セッション情報

一般シンポジウム

一般シンポジウム39
精神医療における身体科領域の生涯教育のためのAI・IT・アプリ技術の活用について

2024年6月21日(金) 08:30 〜 10:30 C会場 (札幌コンベンションセンター 1F 中ホールA)

司会:清水 勇雄(阪南病院),俊野 尚彦(しまなみ産業保健事業所)
メインコーディネーター:清水 勇雄(阪南病院)
サブコーディネーター:俊野 尚彦(しまなみ産業保健事業所)

オンデマンド配信対象外

DSM-5 の『症状は, 物質, または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない』の記載は有名で、診断に器質因の除外を要し、また高齢化や治療成績の向上もあり精神科入院者の平均年齢は上昇し、身体合併例が稀でなくなっている。実際統合失調症患者の予後を規定しているのは虚血性心疾患で、動脈硬化の予防・管理が同時に求められる。
しかし身体科領域の研鑽に関しては、専門医カリキュラムにも記載がなく、施設や各医師に委ねられているのが実情となっている。特に単科精神科病院は内科医が不在な場合が多く、精神科医が身体疾患を鑑別し管理する必要に迫られる。我々は現状を問題視し、総会シンポジウムで議論を深め、日本中の精神科医達と意見を交わしてきた。精神科医・内科医である企画者は全国の精神科医とWeb 勉強会を開始し、日本精神科病院協会の講習会や有志の勉強会も開催されているが、依然困難な状況が続いており、今回目覚ましい進歩を遂げているAI・IT・アプリ技術の活用を模索するシンポジウムを企画した。
シンポジストとして、宮野史也氏に専門医研修における困難さを、山口博行氏に生成AIを使った研究と今後の臨床応用について、総合診療医の中込雅人氏にプライマリケアでのChatGPT を含めた人工知能技術の活用方法を、精神科医として医師のIT プラットフォームであるexMedio を立ち上げた物部真一郎氏と総合診療医として臨床支援アプリHOKUTO の監修に携わった溝江篤氏にはデジタルデバイスの臨床実装について、企画者はデジタルデバイスでの自己研鑽や臨床応用について提言を行う。
指定発言として、医学教育専門家の松坂雄亮氏、元都立松沢病院内科部長で教育担当であった小野正博氏、産業医としてデジタルデバイスを用いている俊野尚彦氏を招聘し、自己研鑽や臨床での困難さを共有し、具体的な方法を交えつつ、精神医療での身体科診療の未来について議論したい。

松坂 雄亮 (長崎県精神医療センター/長崎大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経科学/岐阜大学大学院医学系研究科医療者教育学修士課程)