The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム40
スポーツチームドクターとしての精神科医 トップアスリートに精神医学はどう関わるべきか

Fri. Jun 21, 2024 8:30 AM - 10:30 AM D会場 (札幌コンベンションセンター 1F 中ホールB)

司会:西多 昌規(早稲田大学スポーツ科学学術院),山本 宏明(北里大学メディカルセンター精神科)
メインコーディネーター:西多 昌規(早稲田大学スポーツ科学学術院)
サブコーディネーター:山本 宏明(北里大学メディカルセンター精神科)

オンデマンド配信対象外

アスリートにおけるメンタルヘルスや精神医学の重要性は、認識されるようになってきた。とはいえ、オリンピックやプロスポーツなど、ハイレベルなスポーツ領域においては、精神医学の普及浸透はまだまだ不十分である。一例として、精神科医が「チームドクター」を務める例はまだ少ない。チームドクターとは、チームに属して、チーム内で発生する医療を必要とする案件に対応する医師である。整形外科医、内科医がほとんどだったが、アスリートにもメンタルヘルスの問題や精神障害が多く見られるようになり、海外のように精神科医がチームドクターとして貢献するニーズが増加してきた。実際に、精神科医チームドクターが、この数年で誕生してきている。現状の問題点としては、①チームドクターとしての精神科医の必要性、業務の内容が知られていない ②精神科医チームドクターとしての専門性の担保、が挙げられる。本シンポジウムでは、精神科医チームドクターとして第一線で活躍する、専門性が担保された精神科医を演者として、実情や問題点を議論するシンポジウムを提案する。はじめに、陸上選手に長年関わる山本宏明が、チームドクターの定義、現状と問題点を説明する。続いて、国体チームなどのチームドクターを務める北原亜香利、プロサッカーでの精神科医チームドクターを務める矢野郁明、日本プロ野球チームでは初めての精神科医チームドクターである水島仁に、それぞれ発表してもらう。最後に、精神科医ではないが睡眠医療専門医であり、柔道日本代表などのチームドクターを務める白濱龍太郎に、トップアスリートにみられる睡眠障害と精神障害の近縁性から、精神科医の必要性について論じてもらう。指定発言として、アスリートの精神科診療に造詣の深い伊豫雅臣に、アスリートの精神科医療の専門性担保の問題についての私見をいただき、エクスパートを育成していく方向性を確認して締めくくりたい。