The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム43
精神科救急・急性期の興奮に対する最良の対応法とは?
精神薬理学・病棟管理・行動制限最小化の観点から

Fri. Jun 21, 2024 8:30 AM - 10:30 AM H会場 (札幌コンベンションセンター 2F 小ホール)

司会:八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院),杉山 直也(公益財団法人復康会沼津中央病院/一般社団法人日本精神科救急学会)
メインコーディネーター:八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院)
サブコーディネーター:杉山 直也(公益財団法人復康会沼津中央病院/一般社団法人日本精神科救急学会)

急性の精神疾患、興奮を伴う疾患は、エビデンスが作られにくい領域である。一般的な診療ガイドラインはインフォームドコンセントを取得できる言わば理想的な患者しか組み入れにくい二重盲検ランダム化臨床試験(RCT)の成果を基にしていることが多いため、現場で治療を試行錯誤するような状況については本質的に答えられない。これに対して日本精神科救急学会は、Leucht らの研究成果に代表されるようなRCT のメタ解析(Lancet 2019;394:939 など)、Tiihonen らによるスウェーデンの国家規模データベースの解析(JAMA Psychiatry 2017;74:686 など)、および日本精神科救急学会の多機関共同研究であるJAST study group によるRCT やリアルワールドエビデンス(Asian J Psychiatry 2022;67:102917 など)を相補的に統合して、精神科救急医療ガイドライン2022 年版として公開している(https://www.jaep.jp/)。
本シンポジウムはこのような流れの中で、まさにエビデンスの作られにくい焦燥・興奮に対するPRN(pro re nata)について、投与経路に多様な選択肢ができた現在、いかなる選択が合理的か、そしてそもそも焦燥・興奮を助長しない病棟管理とはいかなるものかを、具体的な実践例を呈示しつつ議論する。構成は次の通りである:1. 救急・急性期におけるPRN の変遷と現在の精神薬理学的実践:藤田潔(桶狭間病院藤田こころケアセンター)2. 根拠に基づいたPRN の実践- Tmax に着目した観察タイミング:杉山直也(沼津中央病院)3. 焦燥・興奮を助長させない病棟管理とリアルな身体拘束最小化:今井淳司(東京都立松沢病院)4. 精神科救急医療ガイドラインの視点から:八田耕太郎(順天堂大学)実施機会が多い割に学術的議論の少ないPRNについて、課題である医学的根拠を克服しつつ病棟管理も含めて深堀し、真に役立つガイドラインの改訂に繋げていきたい。
本シンポジウムは、日本精神科救急学会の推薦を受けている。