The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム45
精神科へき地医療克服のための処方箋

Fri. Jun 21, 2024 8:30 AM - 10:30 AM M会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームA)

司会:熊﨑 博一(長崎大学医学部精神神経科学教室),中村 雅之(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野)
メインコーディネーター:熊﨑 博一(長崎大学医学部精神神経科学教室)
サブコーディネーター:中村 雅之(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野),岩田 正明(鳥取大学医学部精神行動医学分野)

オンデマンド配信対象外

2024 年4 月から施行予定の医師の働き方改革では、勤務医の時間外労働の年間上限が制限される方向である。働き方改革により過剰労働が改善されることは望ましい一方で、へき地医療現場への医師補充なしではいよいよ医療が回らなくなる可能性がある。へき地医療において、地域の背景、ニーズの多様性を踏まえ、必要な急性期機能の維持や適正かつ効率的な医療機器及び施設の整備・運営が求められている。これからのへき地医療には科学技術の導入も重要である。本シンポジウムは以下の5つの演題で構成される。山陰のへき地医療処方箋:山陰の課題として、隠岐島の精神科医療が長年の懸案であり、島根及び鳥取県は県の垣根を越えて支援連絡会議を長年開催し、双方で補いあいながら支えてきた。そのストーリーを紹介する。東京都のへき地医療処方箋:伊豆諸島、小笠原諸島などの島しょ部は常駐精神科医不在のため現地での緊急時対応が長年の懸案事項だった。松沢病院と島しょ部で現地の身体科医師に精神科的助言を行う八丈松沢ホットラインを開設した。その現状、今後の課題について報告する。長崎大学のへき地医療処方箋:長崎大学では二次離島の診療所に週1 回ロボットを用いた遠隔診療支援を行っている。二次離島支援からみえる今後のへき地医療支援について説明する。愛媛県愛南町のへき地医療処方箋:愛媛県愛南町は、過疎化が進み、精神科医療の持続が大きな課題となっている。へき地だからこそできることを見出し、精神医療保健福祉に取り組んでいる現状について説明する。鹿児島県のへき地医療処方箋:鹿児島県の離島では、海を隔てた物理的な距離や医療資源の不足など、精神科医療支援は多くの困難に直面している。これらの問題解決への糸口としてデジタル技術の活用を検討しており、その現状、今後の課題について説明する。総合討論では、指定発言者も加わり、へき地医療克服のための処方箋について議論する。